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2006年5月 8日 (月)

「エクソシスト」〜映画的手法に満ちたオカルトの金字塔

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「エクソシスト」のレビューは、かつて運営していた映画サイトからの転載。なんとも硬派に論じているのには我ながらビックリした。

初期の映画レビューは、前述のような短いものだったが、比較的長いものも書いていた。

僕が映画サイトを始めたのは97年3月。なんと9年前。今でこそたくさんの映画サイトやブログがあるが、当時は少なかったせいもあり、ヤフーにも簡単に登録され、雑誌などにも紹介された。

それが縁でネット系の雑誌などでいくつか原稿を持っていた。
懐かしい!と、一人ではしゃいでいます。


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ワシントンDCを舞台に、12歳の少女リーガンに取り付いた悪魔とエクソシスト(悪魔祓い)の息詰まる戦い。70年代ブームに作ったオカルト映画の金字塔。この作品の後、亜流映画が続出したが、どれも、これにはかなわない。オカルトと人間ドラマの見事な融合。

国民のほとんどが無宗教の日本人には理解できない(僕も含め)が、キリスト教が根付くアメリカにおいては、悪魔という素材はそれだけで十分恐ろしい存在らしい。

宗教的な恐怖を除いても、この映画には迫力がある。監督は「フレンチ・コネクション」(71年)のウィリアム・フリードキン。エジプトの発掘現場でメリン神父が感じる不吉な予兆。リーガンの周辺で起きるポルターガイスト現象、カラス神父の痴呆症にかかった母の死。じわりじわりと不安感を煽っていく。

ホームパーティーで、少女が失禁し、意味不明の言葉を発するようになってから一気に話しは流れ出す。コンピューターなしのアナログ特撮の怖いこと、怖いこと。少女の変ぼうぶり、暴れるベッド、360度回転する首(特撮:ディック・スミス)。

陰影の効いた撮影、ズームしながら下がる不安定な構図(ヒッチコックの「めまい」の応用)。中でも、予告でもおなじみのマックス・フォン・シドー扮するメリン神父の登場シーンは秀逸。窓からこぼれる光。一軒の家の前で、止まるタクシー。街灯に照らされる人影。悪魔にとりつかれた少女の目。開くドア、一歩進み、そこでやっとシドーの顔。希望、そして、戦いの始まりを予感させる。

クライマックスのことは言わずもがな。随所にアナログ時代の工夫、努力がいっぱい。ブラッディの原作、脚本を見事に映画的に昇華したフリードキンの職人技には感服する。

DVD特典について

DVDは25周年を記念したBBC製作のドキュメンタリー「フィアー・オブ・ゴッド」ほか特別映像付きの特別版。

原作、脚本のブラッディ氏とフリードキン監督のラストシーンをめぐる対立が興味深い。ブラッディは「観客の中には、悪魔が勝ったと思う人も出てくるだろう」と主張し、明るめの別シーンも撮らせた。しかし、このラストだったら、いまあるような評価は得られなかったに違いない。あまりにもアホくさいのだ。フリードキンも最初から使う気がなかったと見え、演出も”おざなり”なのが笑える。その「もうひとつのラストシーン」も収録。


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