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2007年8月12日 (日)

「近代化遺産を歩く」(著・増田彰久)

いま、検見川送信所のことでいろいろ調べている。そんな中で出会った1冊。


近代化遺産を歩く

筆者は大成建設を定年退職後にカメラマンに転身したという増田彰久氏。

検見川送信所のことをさしおいても、面白かった。



写真はCaplio GX100で撮影。


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検見川送信所のために産業遺構・戦争遺構というテーマを立ち上げたが、最近では「近代化遺産」という言葉が定着しているようだ。確かに、どことなくマイナスの匂いのする「遺構」よりも「遺産」の方が響きがいい。

おなじみのウィキペディアにも載っている。こちら

「近代化遺産」とは幕末、明治、大正、昭和戦前に建てられた工場、鉄道、トンネル、ダム、橋、鉄道など日本の近代化に大きな役割を果たした建物、構造物のこと。

検見川送信所もこのカテゴリーに入るようだ。

文化庁も1990年から近代化遺産総合調査事業を手がけ、96年から文化財の登録制度を始めた。

同書で、増田氏はこう書いている。ちょっと長いが、引用されてもらう。

私たちが文化財というと、まず頭に浮かぶのは京都や奈良の神社仏閣であろう。(略)「近代化遺産」は考えてみると、最も身近で懐かしさを感じるものが多い。(略)現在の生きた社会の中にある文化財なのだ。

今までは、いわば、お上がいろいろな文化財というものを指定して、市民がそれを見るという形だった。「近代化遺産」の場合は、川下から川上へ上げていく、市民からのアプローチしていく文化財と言えるのではないかと思う。


増田氏の提示はすごく分かりやすい。

たとえば、広島の原爆ドーム。産業奨励館として作られた、この建物はユネスコによって世界遺産に指定されている、という。

さらに、全国にはたくさんの「近代化遺産」が残っている。遺産を通し、先祖の物語を聞き、自分の生きた時代を振り返り、多くのことを子孫に伝えることができる。身の回りの文化を考えるヒントとして、積極的に評価していったいいのではないか、と。

まさに、僕が思っていたことのすべてが書かれていた。

さらに「遺産」は過去のものではなく、未来への伝言である、とも。

本書には構造物の美しい写真とともに、バックグラウンドを伺えるストーリーが満載で、非常に面白く読むことができた。増田氏はフットワークも軽く日本中の近代化遺産を撮影に回っている。

検見川送信所は紹介されていなかったが、「送信塔」は出てくる。

この章では、奄美大島の送信塔を撮りに行く際、乗ったタクシー運転手との会話が出てくる。
運転手から「取り壊されるのですか?」と聞かれる。

増田氏は、「どこへ行っても、近代化遺産の撮影ではよく同じ質問を受ける。どこの土地でも、人々が、その建造物に特別な親しみや思い出を持っているからだろう」と書く。

僕自身には、検見川送信所に思い出はない。ふと出会って、ものすごいインパクトを受けただけだ。

だが、検見川の方にお話を聞くと、「子供の頃は中に忍び込んで遊んだ」とか耳にする。まさに、生活の一部だっただろうな、と想像する。これは、かなりうらやましい。

ちなみに、近代化遺産で調べてみると、楽天では100件以上の商品がある。

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