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2007年8月17日 (金)

「建物が残った 近代建築の保存と転生」★★★★

建物が残った 近代建築の保存と転生
本体価格 2,800円 (税込 2,940 円)

建築家、磯崎新氏が設計した旧大分県立大分図書館が取り壊しの危機から一転、再生利用された記録だ。


【天童木工】モンローチェア《1973年発売・磯崎新》
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検見川送信所の保存に絡んで、取り壊しから保存になった事例を探していて、見つけた。


朝焼けの検見川送信所

大分図書館は1966年に建設された。検見川送信所は近代化遺産に分類されると思うが、こちらは近代建築。しかし、こんな新しいものすら、壊される時期なのかと思うと、逆に驚きだ。

これは建物自身が老朽化したというよりは、書籍の収容数が限界に達し、建物の構造的にも今日的(階段が多いなど)ではないという機能面が大きいようだ。

スクラップ&ビルドという考え方は公共施設には一般的なのだろうか?

確かに、この国はそうやって発展してきたわけだが、それだけでいいのか?それは市民、国民のためになっていたのだろうか?

図書館の取り壊しの噂が持ち上がったのは92年秋、鈴木博之東京大学教授の新聞コラム。磯崎氏も「所感」を発表し、無念さと愛着を滲ませたが、しばらくは推移を見守った。建物は既に引き渡し済み。「取り壊しか」「保存か」それを考える主体は県民、市民にあるとゲタを預けたのだ。これには自治体への牽制もあった。

続いて、日本建築学会が保存要請を行い、「大分県立図書館を考える会」が発足する。「保存する会」としなかったのは、反対派も巻き込み、話題にしたかったという意図だった。

やはり、保存の声もあれば、逆もある。市内在住のある建築家(本書では実名)は「建築物にも死の美学、崩壊の美学がある」といった。

これには、建築家の西岡弘氏が反論する。

長いが省略できないので引用させてもらおう。

「建築を脳死の状態で置いておいてもしかたないという書き方をされていましたが、僕は脳死状態でも何とかして生かしておきたいという気持ちがあって、ご本人もいろいろ苦労して、それで亡くなっていくのが死の美学だと思うのです。それをもう機能しないからということでその生命維持装置を取ってしまう。これは死の美学ではない。単なる暴力だ」

結局、この「考える会」の動きに自治体は反応し、取り壊しは撤回された。11億円をかけ、耐震強度を上げる補修工事を行い、アートプラザとして再生した。

この中には磯崎氏が寄付した模型、パネル、設計図が飾られている。

この本のドキュメント部分は大いに参考になった。こうした先人の努力があるからこそ、僕もやっていくことができる。小さな声で始まっても、それは大きいうねりになる。磯崎氏も同書でそう書いています。

検見川送信所の保存は会にもなっておらず、まだまだ小さい声ですが、少しずつ手応えを感じています。

ところで、「来週末、仕事半分、遊び半分で大分・湯布院に行きませんか?」と誘われた。これは巡り合わせ。大分のアートプラザをめぐって、同じく磯崎氏が手掛けた湯布院駅を見てこようと思っています。

写真は30Dで撮影。


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musenhozon.jpg





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検見川送信所」カテゴリの記事

コメント

TITLE: Re:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
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遅まきながら。バナーの貼り方を伺おうか?と思っていたところです。これで貼れそうです。

投稿: しぇるぽ911 | 2007年8月18日 (土) 02時46分

TITLE: Re:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
SECRET: 0
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この国は「スクラップ&ビルドが文化の一翼を担っている」と思っていました。

大分の事例は、そんな日本の、別の一面を見た感じです。



追伸

メールボックスへのメッセージ、ありがとうございました。さっき返信させていただきました。よろしくお願いします。

投稿: まさやん0386 | 2007年8月18日 (土) 07時26分

TITLE: Re[1]:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
SECRET: 0
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しぇるぽ911さん

>遅まきながら。バナーの貼り方を伺おうか?と思っていたところです。これで貼れそうです。



すみません。ソースの表示する方法を僕自身が知らなかったのです。あれじゃあ、分からないですよね。

投稿: shocota | 2007年8月18日 (土) 07時53分

TITLE: Re[1]:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
SECRET: 0
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まさやん0386さん

>この国は「スクラップ&ビルドが文化の一翼を担っている」と思っていました。

>大分の事例は、そんな日本の、別の一面を見た感じです。



まさやんさんのコメントを読んで、ちょっと書き足りないなぁと思いましたので、以下の文を加えました。



確かに、この国はそうやって発展してきたわけだが、それだけでいいのか?それは市民、国民のためになっていたのだろうか?



読みやすい短い文を心がけているんですが、この話を書くと、ついつい長くなってしまいます。



>追伸

>メールボックスへのメッセージ、ありがとうございました。さっき返信させていただきました。よろしくお願いします。



受け取りました。



来月、ドライブがてら、来てください。近くにうまいそば屋、インドカレー屋があります。そば屋は古い日本家屋を利用したものです。

投稿: shocota | 2007年8月18日 (土) 07時58分

TITLE: Re:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
SECRET: 0
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おはようございます。

ソースの表示、厄介ですよね。

以前写真を真ん中に貼る方法を聞かれやり取りに困った記憶があります(^^;

遅まきながら貼らせて頂きました。

投稿: アンビンバンコ | 2007年8月18日 (土) 09時49分

TITLE: Re[1]:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
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アンビンバンコさん

>おはようございます。



おはようございます。



>ソースの表示、厄介ですよね。

>以前写真を真ん中に貼る方法を聞かれやり取りに困った記憶があります(^^;



ソースの表示についてはアンビンバンコさんが紹介されていたページを利用しました。ありがとうございます。



>遅まきながら貼らせて頂きました。



拝見しました。



こちらも、ページにバナー協力リンクとして掲載させていただきました。



ありがとうございます。

投稿: shocota | 2007年8月18日 (土) 10時03分

TITLE: Re[2]:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
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>ソースの表示についてはアンビンバンコさんが紹介されていたページを利用しました。ありがとうございます。

あぁ、例のサイトですか、あの手のがインストールも不要で便利ですね。



>こちらも、ページにバナー協力リンクとして掲載させていただきました。

ありがとうございます。

一言コメント。。。

正直この手のネタは重いのでコメントしにくかったのですが・・・(^^ゞ

私の祖父は戦争で亡くなりました。

小さい頃から父親を亡くした父は戦争が大嫌い。

そんな父の影響で私も2度と戦争を起こしてはならないと思っています。

今回は昭和の過ちを後世に伝える運動と受け取りバナーを貼らせて頂きました。

うー、やっぱ重い話になってしまった。汗

投稿: アンビンバンコ | 2007年8月18日 (土) 11時14分

TITLE: Re[3]:●建物が残った〜大分アートプラザの場合(08/17)
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アンビンバンコさん

>あぁ、例のサイトですか、あの手のがインストールも不要で便利ですね。



使い方は一瞬戸惑いましたが、理解できると簡単ですね。



>>こちらも、ページにバナー協力リンクとして掲載させていただきました。

>ありがとうございます。

>一言コメント。。。

>正直この手のネタは重いのでコメントしにくかったのですが・・・(^^ゞ



すみません。重いですか、やっぱり。



>私の祖父は戦争で亡くなりました。

>小さい頃から父親を亡くした父は戦争が大嫌い。



僕の母の父(僕の祖父)もルソン島の戦いでなくなったそうです。



>そんな父の影響で私も2度と戦争を起こしてはならないと思っています。

>今回は昭和の過ちを後世に伝える運動と受け取りバナーを貼らせて頂きました。

>うー、やっぱ重い話になってしまった。汗



送信所は戦争に絡む部分もありますが、ロンドン軍縮条約の記念演説を日本初の国際放送したという面もあるんですよ。



http://plaza.rakuten.co.jp/hisahiro/diary/200708150000/



当時、お勤めの方の回想録を読むと、むしろ戦争に嫌悪感を抱いていたように思えます。



この辺はまだストーリーを語りきっていないので、誤解を生んだかもしれません。



昭和の過ちを伝えたいという意味もありますが、無線において功績を残したということ、その技術を軍事利用された面は知って欲しいと思います。しかし、何よりも建物そのものに魅力を感じています。



しかし、率直なご意見を伺え、僕の書き方に問題があったなと反省することができました。ありがとうございました。

投稿: shocota | 2007年8月18日 (土) 11時42分

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