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2007年10月19日 (金)

●稲見一良「花見川の要塞」

検見川送信所から、そんなに遠くないところに、花見川という川が流れている。

全国的にはそんなに有名ではない、この川が好きで、サイクリングでよく走っている。

川下から走っていくと、途中、若干コースが途切れながらも、千葉市、八千代市、佐倉市に入り、印旛沼を経て、利根川まで続く。往復すると、50キロにも及ぶサイクリングコースとなる。

そんな花見川が舞台になった小説があることを、慧俊さんのブログで知った。

稲見一良(いなみ・いつら)という聞きなれない作家の「花見川のハック」という小説だ。

稲見さんは大阪市生まれ。ドキュメンタリーのプロデューサーを経て、小説家になった兼業作家。94年に亡くなっている。

ネット検索すると、この作家がいかに愛されたかが分かる。Amazonのレビューの評価も高いが、ほとんどが絶版。

近くのブックオフに行った折に探してみた。「花見川のハック」はなかったが、「花見川の要塞」という短編が収録された「セント・メリーのリボン」があった。


セント・メリーのリボン


一番先に「花見川の要塞」を読んだ。

冒頭からして、ツボだった。このブログで紹介した弁天宮の対岸から始まる。



ここは花島町の辺り。僕が戯れに書いた「河童のいる送信所」という話で、河童が住んでいるとした場所である。

「花見川の要塞」はこんな話だ。主人公の「俺」はカメラマン。作家のエッセー「夢の中の花見川」につける写真を、花見川に撮りに来て、草むらの中のトーチカを見つける。そこは、野菜の行商をしている婆さんと、軍隊の制服を着た15歳の少年が住んでいた。

トーチカは千葉から津田沼に続く軍用鉄道に隣接したもので、少年は鉄道を警備する任務についているという。

「俺」は現在とも過去ともつかない場所に迷い込んで、彼らとの友情を育む。そこで、彼らと少年は鉄道が見えるというが、「俺」には見えない。「俺」はフィルムに収めたいと思う。そこに、戦時中の軍用鉄道をめぐる謀略も出てきて…という展開だ。

僕もこの軍用鉄道に魅せられて、千葉から津田沼まで自転車を走らせた。

2007/07/22 消えた軍用線路をゆく 

いくつかの書評を読むと、ハードボイルド&ファンタジーが稲見さんの作風のようだ。僕も短くて、渇いた文体が好きだ。まだ一篇しか読んでいないが、好きな作家の1人になるのは間違いない。

稲見さんが検見川送信所のことを知っていたかどうかは分からないが、ご存知だったら、きっと気に入ってくれたに違いない。

ほぼ満月ただの月見@検見川送信所

日本初の国際放送77周年記念
「ほぼ満月ただの月見@検見川送信所」


日時:10月27日(土)午後3時〜
集合場所:JR総武線・新検見川駅徒歩2分、はなのわ広場
参加費:無料
主催:「検見川送信所を知る会」

getacro.gif
pdfファイルを読むにはAdobe Readerが必要です。ダウンロードはこちらから。

PDFファイル版チラシ
http://moleskine.air-nifty.com/kemigawamusen.pdf

ドキュメントファイル(doc)版チラシ
http://moleskine.air-nifty.com/kemigawamusen.doc

「検見川送信所を知る会」では仲間を募っています。入会していただける方はこちらのメールフォームから「入会希望」と明記の上、

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バックナンバーも読めます。

検見川送信所についてはここで過去記事をまとめています。

musenhozon.jpg

日本初の国際放送を行うなど日本の通信に大きな貢献をした近代化遺産・検見川送信所が取り壊しの危機にあります。これを保存、再生できないかを考えるプロジェクトです。

賛同してくださる方は以下のソースを貼り付けてください。
<a href="http://moleskine.air-nifty.com/photos/kemigawamusen/" target="_blank"><img src="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/47/0000060947/20/img2159e7f1zik6zj.jpeg" width="170" height="60" alt="musenhozon.jpg" border="0"></a>


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2006/10/19 DIY、庭仕事とダイエットの素敵な関係




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コメント

TITLE: 軍用線路
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こんにちは



トーチカは我が家の近くにもあったそうです。

今度は軽便鉄道、下志津線のお話を

したいですね。

投稿: かっぱ画人 | 2007年10月20日 (土) 13時02分

TITLE: Re:軍用線路(10/19)
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かっぱ画人さん

>こんにちは



こんにちは。



>トーチカは我が家の近くにもあったそうです。



そうなんですか。今は跡も残っていないですか?



>今度は軽便鉄道、下志津線のお話を

>したいですね。



よく知らないので、図書館などで調べようと思ったのですが、あんまり資料や本が残っていませんね。残念です。



送信所の新しいスケッチ拝見しました。



>今日は画用紙と絵具の選定に気持ちが弾んだ。



ということは色がつくんですね。楽しみです。

投稿: 久住浩 | 2007年10月20日 (土) 13時31分

TITLE: Re:●稲見一良「花見川の要塞」(10/19)
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「花見川のハック」のハックはハックルベリーの事でしょうか?花見川を舞台にしたそんなお話があったとは・・・ご紹介有難うございます。いつか読んでみたいです。



ところで、図書館のレファレンスサービスと相互貸し出しの機能は、ご存知ですか? 



レファレンスサービスは、知りたい事を知る手伝いをしてくれるサービス。どこの本や記事に載っているか調べてくれたり、関連の本を取り寄せてくれたり、情報収集のプロフェッショナルサービス。



相互貸し出しは、他の市町村からでも本を取り寄せてくれるサービス。どちらも図書館の司書さんが手助けしてくれますよ。千葉市では基本的に大きな図書館で無いとこのサービスは受けられ無いと思います。公民館図書室ではたぶん無理? が、私は検見川公民館図書室で千葉県の図書館の本を取り寄せてもらった事があります。

投稿: ソフィア | 2007年10月20日 (土) 22時38分

TITLE: Re[1]:●稲見一良「花見川の要塞」(10/19)
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ソフィアさん



>「花見川のハック」のハックはハックルベリーの

>事でしょうか?花見川を舞台にしたそんなお話があ>ったとは・・・ご紹介有難うございます。いつか読ん

>でみたいです。



この記事を書いた後、図書館で借りて、取り急ぎ、この短編だけ読みました。ハックは「ハックルベリー」から取られていますが、字は「初駆」と書きます。



こちらの小説も近々、紹介しますね。



>ところで、図書館のレファレンスサービスと相互>貸し出しの機能は、ご存知ですか? 



存じています。相互貸し出しは何度か利用したことがあります。

投稿: 久住浩 | 2007年10月20日 (土) 23時03分

TITLE: Re:●稲見一良「花見川の要塞」(10/19)
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トラックバックありがとうございます。



それにしても、なんて素晴らしい書評! 最後に読んだのは10年近く前なのに、あっという間に小説を読んだ時に思い描いた風景が甦りました。



稲見さんが検見川送信所をご存知だったら、どんなお話を書いてくれたのか気になります。久住さんに期待してもいいでしょうか(笑)

投稿: 慧俊 | 2007年10月20日 (土) 23時03分

TITLE: Re[1]:●稲見一良「花見川の要塞」(10/19)
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慧俊さん

>トラックバックありがとうございます。



いい小説を紹介してくださってありがとうございます。



稲見さんのことをいろいろネット検索しましたが、情報自体は少ないですね。どんなドキュメンタリーや映像を撮っていたのかと興味があったのですけど。



作家としての評価はとても高い。みなさん、もっと紹介されてもいい作家と書かれていますね。



きっと、もっとちゃんとプロデュースすれば、ファンはつきますよ。個人的には花見川文学を集めた短編集を出したら、どうか、と。



>それにしても、なんて素晴らしい書評! 最後に>読んだのは10年近く前なのに、あっという間に小>説を読んだ時に思い描いた風景が甦りました。



ありがとうございます。今回のは、正直、書評というレベルではないと思いますが、次回書くときはもう少し踏み込んで書きます。



>稲見さんが検見川送信所をご存知だったら、どん>なお話を書いてくれたのか気になります。久住さ>んに期待してもいいでしょうか(笑)



送信所は幽霊スポットと言われたが、それには実はしかけがあって、主人公がそれを解くみたいな話は書けそうな気がします。アイデアが浮かんだら、書いてみます(笑)。


投稿: 久住浩 | 2007年10月20日 (土) 23時47分

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