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2007年11月19日 (月)

「建築虎の穴」の筆者・大嶋信道さんに検見川送信所の”虎の巻”を聞きに行く

僕ら「検見川送信所を知る会」のメンバーは先日、「杉並たてもの応援団」のイッシーさんのご紹介で、建築家の大嶋信道さんにお会いしました。今後の活動についてアドバイスをいただくためです。


2000年当時の送信所(イッシーさん提供)

大嶋さんは建築史などで有名な藤森照信さんととも活動をされていた方で、近代建築の保存活動にも尽力をされています。

雑誌「新建築」の連載をまとめた著書「建築虎の穴見聞録」もあります。



この本は「ほぼ日刊イトイ新聞」でも取り上げられています。

お会いする前に、半分まで拝読しましたが、建築士としては気になる建材の工程を見に行くというアクティブな内容。

難しい部分もありましたが、素人にも分かりやすく書かれていて、DIYerとして、いくつか建材(ツインカーボ!)を扱ったこともあるので、親しみを覚えながら読みました。




ツインカーボを使った自作”隠れ家”の屋根

さて、一行は杉並のアトリエにお邪魔しました。建築家のアトリエって、どんなところ?興味ありますよね?

打ちっぱなしのモダンな建物を想像するかもしれませんが、気取りのない一般的な二階建ての建物の二階が仕事場でした。なんだかホッとする空間。天井高の書棚があって、中にはファイルがギッシリ。

場所は人柄を表すと言いますが、大嶋さんもアトリエ同様、気取りのない方でした。

「文化財には登録文化財と国、県、市が指定するものがあります。指定は個人が所有する建物には税金、補助などで金銭的なメリットはありますが、検見川送信所は市所有なのであまり関係ないでしょう。国、自治体が指定するのは未来永劫に渡って、管理していくとステートメント。しかし、指定されると逆に使用が規制もあるので、登録やら指定を求めるというのは考えなくてもいいのではないでしょうか」

建物というのは活かしてこそ意味があるわけですから、利活用まで考えると、指定のことまで考える必要はないのかもしれません。

大嶋さんも同様の説明をされました。保存が目的ではなく、その先だ、と。

地元では、「送信所を高齢者向けの施設、図書館、ホールなどにしては?」といった声が上がっていますが、どれも難しい状況。そのバックグラウンドには、千葉市の借金問題があります。金がなければ、補修もできませんからね。

送信所が現在まで残されたのも同じ理由と思われます。壊すのにも、金がかかるから後回しになってズルズル。しかし、80年前に建てられた送信所は思った以上に頑強で、風雪にも耐えてきたわけです。

建物の保存には、建築家協会、建築学会、ドコモモジャパンの3つの専門団体が要望書を出すなど力を発揮しています。

家協会は実際に建築に携わる方が所属、学会は学者系、ドコモモは国際的な建物保存を行っている団体の日本版といった感じ。

専門家は現地検分を行った上で、当該管理者に要望書を送るそうです。そのフォーマットは概ね一緒ということで、実際の要望書を見せてくださいました。

「検見川送信所を知る会」では、保存要望書を出していた地元自治会とも深く連携を持ちたいと希望していますが、杉並区ではあまりそうしたことはしていないそうです。

また、区議との連携もあまりないようです。特定の区議と結び付くと、必ず反対する人間も出てくるから、という理由だそうです。

2007年10月27日の第1回イベントでは、僕らは超党派の議員に呼び掛けました。与党の方も野党の方も同じテーブルについて話し合える問題ではないかと捉えています。

繰り返しになりますが、これは政治運動ではありません。あえて堅苦しく言えば、文化財の価値をみんなで確認し、利活用を考える提言運動でしょうか。僕らは酒を交わしながら、そんなことを確認し、阿佐ヶ谷の町を後にしました。

それにしても、一線でご活躍の方々にお会いできるのは面白い! 建築士、学者、市議の方なんて、あまりお知り合いになることはありませんからね。というわけで、検見川送信所にはワクワクさせられます。



musenhozon.jpg

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コメント

TITLE: Re:「建築虎の穴」の筆者・大嶋信道さんに検見川送信所の”虎の巻”を聞きに行く(11/19)
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利活用の方法を探すのは難しいんですねぇ。



何にしても先立つものがなければ、ということですね。

僕は借金まみれの千葉市から、文科省の指定になれば良いな、と単純に考えていたんですが、

さりとてそうなると、活用の幅が狭められてしまうんですね。こりゃ大きなジレンマですね。

投稿: まさやん0386 | 2007年11月20日 (火) 07時51分

TITLE: Re[1]:「建築虎の穴」の筆者・大嶋信道さんに検見川送信所の”虎の巻”を聞きに行く(11/19)
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まさやん0386さん

>利活用の方法を探すのは難しいんですねぇ。



難しいとは思いますが、みんなに考えていけばいいのだと思います。



>何にしても先立つものがなければ、ということです>ね。



そうなんですよ。



>僕は借金まみれの千葉市から、文科省の指定になれ>ば良いな、と単純に考えていたんですが、

>さりとてそうなると、活用の幅が狭められてしまう>んですね。こりゃ大きなジレンマですね。



制限というものがどういった種類のことなのか、精査する必要はありますね。その辺はまた調べることにしましょう。

投稿: 久住浩 | 2007年11月20日 (火) 09時34分

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