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2008年4月14日 (月)

旧気球聯隊第2格納庫(川光倉庫)の内部に”潜入”

千葉市稲毛区作草部駅から徒歩5分のところに、巨大な倉庫があります。通りかかって、チラッと見るだけだと、「大きな倉庫があるな」で終わってしまうのですが、ただの倉庫ではありません。


大きな地図で見る

ここは旧日本陸軍気球連隊第2格納庫。千葉市が発行する史跡マップの表紙には第1格納庫から気球を出す写真が載っています。

気球連隊とは聞きなれない部隊名ですが、風船爆弾というのはご存知でしょう。偏西風に乗せて、アメリカ本土を攻撃した爆弾。それも、気球連隊に関連があるようです。

軍都・千葉には鉄道連隊があったり、この気球連隊があったりと、特殊な役割を果たした連隊が置かれていたのです。この格納庫は現在、「川光倉庫」の倉庫として使われています。前々から内部を拝見したいと思っていたのですが、お電話したところ、「今日なら、いいですよ」と快諾を頂きました。

こんな機会はめったにない。友人を誘って繰り出しました。

川光倉庫の方が案内してくれました。格納庫は昭和7年竣工。千葉市の戦前建築で最大。建坪は約500坪ある。高さは地上6階に相当します。第1格納庫の方がもっと大きかったようです。

近くにある陸軍歩兵学校は空襲で全焼したようですから、この格納庫が残ったのは幸運だったと言えるでしょう。

この倉庫を買い上げたのは、川光倉庫さんで三代目。現在は米、大豆を中心に衣服なども置いてあるそうです。大豆は需要増で、少ないとか。

まずは外観ですが、当時は大きな二枚扉で気球を出し入れしていたそうです。扉の厚さはなんと90センチ。扉の下には大きな滑車があり、モーターによって動かしていたそうです。


倉庫正面

現在は入り口を細かくわけていますが、扉の跡はそのまま残っています。


シャッターの左側に見えるのが本来の扉の枠


2枚扉を支えていた滑車部分。現在は使用されていない

中に入ると、カマボコ型の鉄骨構造を見ることができます。奥は兵隊の宿泊施設で、長い二段ベッドがあったということ。


寝室だった部屋。左側の鉄筋を支えに2段ベッドがあった

若干、劣化し、剥がれ落ちた壁を見ると、鉄筋の網が見えます。今のマンションで見る鉄筋よりも明らかに目が細かい。地震で壊れたことは一度もない、といいます。

これまでの最大の被害は?と聞くと、「台風18号が関東地方を襲った際に外壁6枚が飛んだことはある」そうです。外壁などに経年の傷みは見られますが、鉄骨を見る限り、この建物自体は丈夫そう。

以前、地面を掘り返した際、砕石が何層にもきれいに埋められているのを見て、業者も驚いたとか。壊すのにも、通常の解体作業では済まないでしょう。「ガラは倍出るよ」と職員の方は言います。

当時は平屋として使っていましたが、現在は倉庫の容量を上げるため、縦にも横にも仕切りを入れています。

圧巻は屋根部分のトラス部分。ここも近く小部屋で仕切る工事に入るようで、この構造も見られなくなる、とか。ということで、この写真は貴重なものになります。いいタイミングで見学に来たものです。

鉄骨は全てリベット打ちで固定されています。高い所は一体、どんな作業を行ったのでしょうか。

僕らが受けたような説明は地元の学校や歩こう会に向け、行っているそうです。「もちろん、忙しい時はできないけど、時間がある時はやりますよ」と職員の方。

外壁部分にも秘密があります。色が変わっている部分がありますね。こちらは焼夷弾が落ちた跡。ここだけ張り替えたのだそうで、裏の鉄骨には溶けた跡が残っているそうです。2ヶ所見られます。やっぱり、空襲のターゲットにはなったようです。

この三角は窓だそうで、兵隊の寝室部分にもありましたが、今は開けることはないようです。

こちらは背面です。写真では分かりにくいのですが、色が変わっている部分には雲母が嵌め込まれ、明かりとりの役目を果たしていました。


階段部分は後づけ

この格納庫はいかなる文化財指定は受けていませんが、間違いなく貴重な文化財です。しかも、活用、保存がされているのが素晴らしい。これも民間企業が買い受けたからこそ、実現できたのではないでしょうか?
「我々は倉庫屋だからね、とことん使うよ」と職員の方は言います。それは誇らしげな笑顔でした。

文化遺産と現代の知恵。この姿に文化財保存の大きなヒントが隠されているように思えました。

写真ギャラリーには未掲載ショットもあります。

写真はキャノン30Dで撮影。新型は40D。

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コメント

戦前期なのに立体トラス(しかもジョイントは当然ながらすべてリベット)で出来た上屋は素晴しいです。見に行きたい建物です。昨日図書館で調べた、昭和10年刊「建築の東京」掲載の「某阻塞気球格納庫」というキャプションの写真の建物と見てよさそうです。

投稿: Kikuchi | 2008年5月 8日 (木) 16時34分

Kikuchiさん

>戦前期なのに立体トラス(しかもジョイントは
>当然ながらすべてリベット)で出来た上屋は素
>晴しいです。

同時期に、県指定文化財の鉄道連隊の材料廠も見学に行きましたが、こちらの方が感銘を受けました。専門家から見ても、やはり素晴らしい出来なんですね。

>見に行きたい建物です。

了解しました。kikuchiさんがお休みの水曜日に合わせて、千葉の建築見学にいきませんか?車を出して、案内いたしますので。

>昨日図書館で調べた、
>昭和10年刊「建築の東京」掲載の「某阻塞気球
>格納庫」というキャプションの写真の建物と見
>てよさそうです。

そんな書籍があるのですね。僕も調べてみます。

投稿: 久住コウ | 2008年5月10日 (土) 08時21分

貴重な写真と詳細な内部と解説有り難うございます。興味深く拝見しました。いつも楽しそうな探訪をされていらっしゃるので、たまには当方も参加したいのですが時間余裕がありません。トリップレポートで楽しませて頂きます。次ぎもぜひ書き込んでください。ご活躍を期待しています!!

投稿: brownfox | 2016年11月28日 (月) 09時34分

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