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2008年4月 8日 (火)

交響楽団員という生き方

7日夜、ある集まりがありました。場所はよみうりランドの中華料理店。千葉在住の僕にしてみると、小旅行といった感じ。帰宅するのに、3時間はゆうにかかる。

それにしても、小田急の「読売ランド前」という駅名は罪ですね。前って言ったら、目の前だと思いますよね、普通は。そんなに近くないとは思っていたのですが、20分もあれば、着くだろうと歩き始めた。というのも、バスはいない、タクシーもいない。そんな状態だったから。

しかし、歩けど歩けど、観覧車やらランドマークになるものが見えてこない。閑静な住宅地に迷い込んでしまった。通りがかる人に道を訪ねまくった。

「もう一つ山を越えたところだよ。そうだね、私は無理だけど、お宅は若いから、20分くらいかな」とご老人。

また、さらに歩いていると、車のクラクションが。先ほど、道を教えてくれた主婦らしい女性が「車で送っていくのでどうぞ」と声をかけてくれた。

「道順の教え方に自信がなかったので」というが、見知らぬご婦人に送っていただくとは思いもよらなかった。

確かに遠い。山の中を走るので真っ暗なのだ。車で行くと、遠回りをするらしいが、20分がつかないだろう。旅は道連れ、世は情け、というが、21世紀の日本も捨てたもんじゃない。


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かくして、会合には遅れたのだが、珍道中の経緯を挨拶で話すと、みんな笑ってくれた。

会合では交響楽団員の方と相席になった。こういう方とお話できる機会はないので、あれこれ聞いてみた。
だって、楽団員の生活って、どんなだろうと思いません?

彼らはアーティストであるけれど、同時にサラリーマンでもあります。

勤務は1公演につき、リハーサルに3日、本番2日というのが標準的なスケジュール。そして、2日休み。リハーサルは11〜15時まで。実労働は驚くほど短い。しかし、個人練習にもさかなければいかないだろうし、思ったほど楽じゃない。

音大の先生は「君たちが音楽家を目指すなら、親の死に目に会えないことは覚悟することだ」と言われるそうだ。

親が死んだからといって、公演に穴を空けるわけにはいかないんだそうです。

また、子供の学校行事にも顔を出せない。公演は週末が多いわけでしょ。どうしても休みたい場合は有給休暇を取るしかない。この場合も、1日というわけには行かず、リハから本番までの5日間をセットで取らされるのだという。だから、度々休むと、あっという間に有給休暇はなくなる。

どんな仕事でも、健康管理は必要だが、楽団員の方は特に気をつかう。指を折ったら、一生働けない。

マリンスポーツ、ウインタースポーツなど好きなスポーツも諦めた人も多いらしい。その分、車好きになる。もちろん、頑丈なベンツなんかに乗っているみたい。

楽器のケアもさることながら、針やマッサージなど自分自身の体の投資にも金がかかる。

これはなんだか大変な職業でしょ?

演奏家というと、幼少の頃から英才教育を受けているという印象がありますが、僕が話を聞いた方は、16歳からコントラバスを始めたんだそうです。

しかも、普通に四年制の大学に行き、やっぱり音楽がやりたいと思い、音大に再入学。学費を稼ぎながら、コントラバスを弾いた。楽団に入ったのは26歳の時だったそうです。

「だから、僕は若い人に言うのです。何かを始める時に『遅すぎる』ことはないって」

含蓄のある言葉ですね。刺激になりました。ひと山分歩いて道に迷いながらも、会合に出た甲斐があったというものです。

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コメント

珍道中お疲れさまでした。
確かに「よみうりランド『前』」は詐欺にも似たネーミングですよね(^_^;
京王相模原線が開業したときに改名しておくべきだったかも。

それにしても楽団員の話、僕にも貴重な内容でした。
シフトだけ聞くとラクそうに思えますが、実態は音楽が三度の飯よりも好き、そして自分に厳しい、という人でないと勤まらないんですね。

「何かを始める時に『遅すぎる』ことはない」
この言葉も、ドキッとしました。
僕は歳のせいにしていろんなことを捨ててきてる気がします(大汗)

投稿: まさやん | 2008年4月 9日 (水) 16時02分

~前とういう駅名なら徒歩5分以内にしてほしいですよね。

このご時勢、やさしいご婦人ですね。

わたしも以前ブログに書きましたが、回送中のタクシーに無料で乗せてもらったことがあります。

投稿: takaak | 2008年4月 9日 (水) 23時09分

>珍道中お疲れさまでした。
>確かに「よみうりランド『前』」は詐欺にも
>似たネーミングですよね(^_^;
>京王相模原線が開業したときに改名しておくべ
>きだったかも。

ちょっと遠すぎますよね。

>それにしても楽団員の話、僕にも貴重な内容で
>した。

僕もかなり刺激になりましたよ。

>「何かを始める時に『遅すぎる』ことはない」
>この言葉も、ドキッとしました。
>僕は歳のせいにしていろんなことを捨ててきて
>る気がします(大汗)

ハハハ、そんなことはないでしょう。ホームページ作りだって、すごいし。

僕も同じようなものです。自分を否定せず、勇気をいただける言葉だと受け止めればいいのではないでしょうか?

投稿: 久住コウ | 2008年4月10日 (木) 03時48分

>takaakさん

>~前とういう駅名なら徒歩5分以内にしてほしいですよね。

これこそ、法律で規制してほしいですね。

>このご時勢、やさしいご婦人ですね。

よほど哀れに思われたのかもしれませんね(笑)。

>わたしも以前ブログに書きましたが、回送中の
>タクシーに無料で乗せてもらったことがありま
>す。

そんなことがあったんですね。記事のURLを教えてください。他人事とは思えない。

投稿: 久住コウ | 2008年4月10日 (木) 03時50分

親の死に目に会えないことは覚悟することだ・・・・・

さすがプロですね。このくらいの覚悟が必要なんでしょう。


そう思うと無責任な普通のサラリーマンって、つくづく楽な商売だなぁ♪と思います。

好きなことで飯を食うのは理想ですが、私の場合はそれでコケてますのであくまで趣味にとっておきます(笑)

投稿: しぇるぽ | 2008年4月10日 (木) 20時33分

>そんなことがあったんですね。記事のURLを教えてください。他人事とは思えない。

http://plaza.rakuten.co.jp/takaak/diary/200707260000/

昨年の7月26日の日記です。

投稿: takaak | 2008年4月10日 (木) 22時15分

>しぇるぽさん

サラリーマンは気楽な商売ときたもんだ、と植木等しも言っていますね。

とはいえ、交響楽団員もサラリーマンではあるんですけどね。

好きなことで商売。これも理想ですが、しぇるぽさんも、今の仕事は嫌いではないでしょう?

僕も別にフリーでやりたいという欲求はありません。

投稿: 久住コウ | 2008年4月11日 (金) 00時56分

>takaakさん

拝見しますね。そちらのブログに感想を書かせていただきます。

投稿: 久住コウ | 2008年4月11日 (金) 00時58分

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