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2008年8月 5日 (火)

検見川無線送信所の現状と未来~千葉市科学館の展示を発端に

「きぼーる」完成当時は「財政赤字の折に、ハコモノを作って」と否定的に思った。しかし、利用しなければ、本当に無駄なハコものとなってしまう。使わなければ、意味がない。

館内に検見川送信所に関する資料が掲示されているらしいと聞き、見に行った。場所は9階にあった。電波の歴史を知るコーナーで、短波、中波、長波の性質が紹介されている。短波のコーナーに、送信所の写真がある。


検見川送信所in千葉市科学館(GRD2,f2.4 1/32s ISO400)

市の最新施設で、検見川送信所の役割を紹介するということの意味は大きい。市側もその重要性を認識している、ということだ。

千葉市は送信所跡地を検見川中学校の用地と位置づけてきた。しかし、3月の市議会では教育長が「市民の方から同じく登録の要望をいただいております旧検見川送信所跡については、歴史的な価値を再検証するとともに、関係部局と協議してまいります」とした。

さらに6月の市議会では、山本直史市議(新政ちば)が市が確保している学校用地の状況、今後の見通しについて質問している。市側は送信所跡を含む4つの学校予定地について言及。児童推計値から判断すると、「現在のところ、学校建設の必要性はないと考える」と答弁した。(2008年6月21日付、千葉日報でも報道)。

送信所に関する千葉市の答弁を見ると、1999.09.30 : 平成10年度決算審査特別委員会(第4日目)での都市部長の発言がある。

これは中村公江市議(共産)の質問に答える形で行われた。

誤解のないように市議録から必要部分を多めに抜粋する。

中村公江市議(共産)「PTAや学校関係者,自治会の役員の方から,朽ち果てた旧検見川送信所の建物を何とか早く撤去してほしいと要望がありました。
 近くに住む方は,すぐそばの歩道を歩いて通勤,通学します。このほど,歩道に街灯がつきましたが,人通りは少なく,コンクリートの壁に囲まれ,築74年以上の廃墟となった建物は,薄気味悪く,治安上も好ましくありません。
 そこで伺いますが,1,この建物の管理者はだれなのか。
 2,住民の安全を守る立場で,早急に撤去するように求めます。」

都市部長「当該建物の撤去についてでございますが,本事業を進める上で支障となった時点で撤去する予定としておりますが,防犯上問題があるとの指摘もありますので,撤去の時期につきましては,今後の検討課題とさせていただきたいと存じます」。

中村市議の発言は検見川町の住民の声を受けてのもののようだ。現在、検見川町連合町内会は市に対して、送信所を地域文化財に指定するよう要望書を提出している。「取り壊してほしい」という考えから、「送信所=文化遺産」に変化している。

以上のことを考えると、中学校建設は必要なし、取り壊しの声もない。また、治安上に関しては、この発言の後、窓やドアを鉄板で固めており、その対策は済んでおり、6月の市教育委の発言は事実上の「取り壊し撤回発言」と取ることができる。

後は文化財として認め、これをどう守っていくかが焦点になるだろう。手前ミソになるが、千葉市側が態度を変えていった背景には「検見川送信所を知る会」の活動が発端になっているといっていい。

ただ、楽観視はできない。頑強なコンクリート造りで、基礎部分には問題はないだろうが、79年の閉局後、30年近く放置された建物の外壁は老朽化し、剥離している。また、専門家からは天井部分の水漏れが指摘されており、内部を見ないと、その劣化具合は知ることができない。そういった意味では一刻の猶予も許されないのだ。

しかし、希望はある。昨今、中央政界では政治不信が唱えられているが、千葉市では市民が動けば、市議、市はそれにきちんと答える、ということが分かった。

また、「検見川送信所を知る会」が主催したイベントには1会派を除き、すべての会派議員が強い関心を示し、送信所の存在を知って頂くことができた。市議たちは「とても重要なものだということは分かった」などとご自身のブログなどで報告されている。これを壊すべきだと考えている市議は今のところ、聞いたことがない。

検見川送信所を設計した吉田鉄郎氏の代表作である「東京中央郵便局」は郵政民営化の影響で高層ビル化が発表された。重要な文化財である建物が収益性の名のもとに解体の危機を迎えている。

今、「地方から世の中を変える」という言葉がいろんなところで叫ばれている。東京近郊にある千葉市も、やはり同じ「地方」のひとつである。

現在、廃墟状態にある検見川送信所が文化遺産として、地方自治体が認めらることがあったら、おそらく日本初の快挙であろう。そうなれば、東京中央郵便局の運命も変わる可能性があるのではないか。

それにはさらなる声が必要なんだと思う。

僕はまず、みなさんに検見川送信所がどんな建物なのかを知って頂きたい。その上で、どうすべきか考えていただきたい。千葉市最後の文化遺産、検見川送信所を次世代に残せるかは、千葉市民だけでなく、市外、県外、国外からの大きな声にかかっている。

廃墟が文化遺産になる。夢のある話だとは思いませんか?

「検見川送信所を知る会」では8月30日(土)午後3時から、検見川公民館にて、イベント&シンポジウム「検見川送信所、文化遺産宣言」(仮題)を行います。内容の詳細は「検見川送信所を知る会」ホームページで随時、発表します。

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