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2008年11月16日 (日)

「大安に仏滅!?」★★★★

「お日柄もよくご愁傷さま」に続く冠婚葬祭コメディ。サラリーマン生活30年、やっと我家を建てた主人公の西岡哲夫。ここから長女を嫁に出せると、充実感に浸るのも束の間。家は欠陥住宅だったのだ・・・。

出演:橋爪功、吉行和子、酒井美紀、金子賢、林知花。監督:和泉聖治。1時間47分(東映)

「お日柄もよくご愁傷様」の続編的なホーム・コメディ。「お日柄-」は仲人を頼まれた友人の子供の結婚式当日、祖父が亡くなり、結婚式と葬式を掛け持ちせざるを得なくなった男(橋爪功)とその家族のお話。

本作は、やっとの思いで新築の一戸建てを持ったサラリーマンが主人公。これで、娘(酒井美紀)を家から嫁がせることができると思っていたら、家は欠陥住宅。娘の結婚も婿側のトラブルでおかしくなってしまう・・・。

日本人の長年のテーマである住宅問題、家族、その自立、世代ギャップなどを織り込んで、若者から中高年まで楽しめる作品に仕上がった。

人生にはいくつかのヤマ場がある。入学、入社、転職、結婚、家を建てるなど・・・。その中でも、もっともドラマチックなのが「結婚」である。名匠・小津安二郎の世界テーマもずっと「結婚」だった。それは父親から見たもので、小津は「娘の結婚」を人生最大の喜びであり、悲しみととらえた。

そんな小津映画から綿々と流れている父娘の関係を描きながら、父と息子の関係もくっきりと見せる。父と息子は非常に微妙だ。男同士というのは、あるときを境にライバルへと変わる。

主人公は、ことなかれ主義で過ごしてきた。楽しみといえば、ゴルフ。夢は新築の我が家を持つことだ。そんな父親を見て、息子は「親父のようにはなりたくない」と誓い、コメディアンを目指す。2人には会話もあまりなく、たまに顔を付き合わせば、けんか。お互いがお互いを理解しようとしていない。それが、あることがきっかけで、2人して田舎に帰ったことで氷解してゆく。父親は自分の青春の夢を語り、息子(金子賢)も父親の歩んで来た道を理解する。

このドラマが描いているものは実に平凡でオーソドックスな世界だ。ただ、それが素晴らしく感じられるのは、ホームドラマへの回帰なのかもしれない。

社会はすさんでいる。最近の報道によれば、少年による犯罪は97年の50%増しという。新聞やテレビが単に騒いでいるだけでなく、統計的に実証されているのだ。世相を反映してか、テレビで見られる「ホームドラマ」というのも、激減しているように思える。中産階級の美徳は語られなくなった。そんななか、久々見たホーム・ドラマにホッとし、新鮮にも感じたのだった。

主題歌は矢野顕子の「ホーム・スイート・ホーム」。

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