「エイリアン4(ALIEN RESURRECTION)」★★★★
Alien 4 - Resurrection (1997) - Trailer
あのレプリーが帰ってきた!主演:シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー。監督:ジャン=ピエール・ジュネ(ロスト・チルドレン)1時間47分(フォックス)
●人気シリーズにハマったジュネ・ワールド
人気シリーズとはいえ、3作品以上続くと、閉塞感が出てくるものだ。「ロッキー」シリー ズなどはいい例。オリジナルの持つ良さも歪められしまい、熱狂的なファンも背を向けてしまうほどの出来栄え。人気シリーズだから、当たるというのは映画会社の勝手な思惑に過ぎない。映画ファンの目はもっとシビアだ。
「エイリアン」の4作目を作るというとき、当初、シガニー・ウィーバーは難色を示したという。リプリーは3作目でエイリアンを道連れに自害した。これ以上何をできようか、と考えたのである。
伝統と新しさを求められた怪物ヒット作の新作に起用されたのは「デリカテッセン」のジャン・ピエール・ジュネ。グロでブラックな笑いを持った彼の映画は欧州では爆発的な人気を誇るものの、米国では受けるかどうかは疑問だった。なんと言っても、暗い。ハリウッドからはかけ離れた映画人という印象がある。
彼の起用はフォックス首脳部、ジュネ本人にとっても大きな賭けだったはずだ。
SFはアメリカが産んだニューカルチャーである。UFOを「発見」し、命名したのはアメリカ。宇宙旅行にも並々ならぬ執着を見せた。空想の世界、現実ともに先駆者であった。それを英語を話せないフランス人に任せようというのだ。(ジュネは撮影後には下町の人間が悪態をつくように英語を話せるようになったという)
しかし、それは杞憂に終わった。
ジュネはハリウッドのシステムにも慣れ、俳優たちとのコミュニケーションは概ね良好だったようだ。それらはウィーバーの表情にもよく現れている。彼女は4度目のリプリーを実に楽しんでいる。そして、ジュネは自分の世界を残しつつ、エイリアンの伝統を見事なまでに引き継いだ。キャストにはジュネ映画には欠かせないロン・バールマン、ドミニク・ピノンの2人を起用した。
ジュネらしいシュールなユーモアは健在だ。「エイリアン」ファンにはうれしいフェイスハガーに、エイリアンの出産、クイーンエイリアン、もちろん、新エイリアンも水中を泳ぐなど趣向が凝されている。ジュネはいまや、ハリウッドでもひっぱりだこらしい。いよいよ彼の「毒」が世界に回るのだ。楽しみである。(98年4月25日)
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