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2008年12月22日 (月)

「情報革命バブルの崩壊」(山本一郎)★★★★

著者、山本一郎氏はIT投資家で有名なブロガーなんだそうだ。

同書は無料を前提に発展してきたネットビジネスの行き詰まりに警鐘を鳴らしたもの。ネット広告の価値、貧民窟となったネット空間、livedoorのホリエモン事件、SOFTBANKのビジネスモデルの限界などに言及。無料文化は見直しの時期に来ていると著者は言う。

特に前半部が興味を引き、なるほどと思った。

ネットは本当に儲かるのか?

この本を紐解くまでもなく、なかなか難しい。

ネットの普及率が既に、ほぼ飽和状態に達している、と言われる。一方、ネット広告はほかのマス4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)に比べると、伸びを見せている。しかし、「ネットが勝ち組か」と言うと、違う。

ポータルサイトを見れば、主力収入は広告ではない。広告は1000ビューに対して、いくらの報酬という計算で、非常に収益が低い。その単位は「銭」が使われているそうで、「銭」なんて使われているのはネット広告くらいと言われている。

ネット広告の単価はテレビ、新聞と比べると格段に低いわけだけど、これは広告業界の共通認識であるわけだから、あくまで現状はこんなものということだ。(もちろん、値段を引き上げるべきだという議論はあるかもしれないが)

新聞社は自身のホームページの他、ヤフーなどのポータルサイトに記事を提供しているわけだが、その対価は圧倒的に低いそうだ。山本氏は新聞社がポータルサイトに対して、正当な対価を支払うよう求めたり、新聞サイトの経営そのものを見直したらどうか?と提起する。

情報というものは「ただ」ではない。記事が出来るまでに相当の費用がかかっている。新聞社は「それが時代のニーズだから」「他社もやっているから」という理由で、ネットにただで掲載し、活字離れを助長している。確かにナンセンスな話なのだ。

ネットビジネスに未来がある、と思っている人にはちょっとショッキングな本である。

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