« 今週の東洋経済は「世界経済危機」 | トップページ | 検見川無線のプロジェクトX、限定50部 »

2009年2月11日 (水)

コントラバス奏者の「仕事の流儀」

グループ会社に交響楽団がある。日本に企業の数は多けれど、オーケストラを持っているところは稀だろう。彼らは日本だけでなく、世界に誇れる交響楽団であり、労働組合員でもある。

そんな彼らが毎年2月、関連グループの組合員向けのファミリーコンサートで演奏を披露する。クラシックコンサートというと、大人がタイを絞めて、静かに耳をすまして聴くもの、という印象があるが、このファミリーコンサートはちょっと違う。小さい子供もウエルカム。子供が通路を走ったり、叫んでいても、構わない。音楽も子供の声も同じ音として受け入れてしまうわけだ。

コンサートの演目も少し変わっていて、子供たちが交響楽団をタクトを握るコーナーもある。これがなかなか楽しい。詳しくは去年の日記へ。

そんなコンサートで、コントラバスがフューチャーされるコーナーがあった。コントラバスとは交響楽団の一番低い音を司る。クラシックコンサートでも、最も目立たないが、ないと物足りないという楽器なんだそうだ。

楽団員の体調管理の難しさは以前にも書いたが、本当に大変。

コントラバスは弦の長さが103センチ(1030mm)。これは弦楽器でも長いが、2、3mmずれるだけで音は変わってしまうという。この2、3mmを狂わず、維持するためにはどうすればいいか?

スポーツ選手なら、体調を試合当日に合わせるのが普通だが、コントラバス奏者は逆。マッサージはあえて控える。練習をすれば、肩凝りにはなるが、本番間際に凝りをとってしまうと、練習中では動かなかった位置までリーチが届いてしまい、フィーリングが変わってしまう。肩が痛くても、そのままにする。体的には不調の状態で本番の日を迎える、という話だった。

僕は音楽のプロではないから、この方法が正しいかどうかは分からないし、調整法の答えは一つではないと思う。

たかが2、3ミリ。されど2、3ミリ。素人ではその違いを聞き分けることは不可能だろう。しかし、この僅かな違いにこだわるのがプロフェッショナルなんだろうな。


|

« 今週の東洋経済は「世界経済危機」 | トップページ | 検見川無線のプロジェクトX、限定50部 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

 お、音楽とは、私をおびき寄せる話題か(なわけないよね(笑))。しかも読響は好きですよ。なんせチェリビダッケの棒で演奏した日本で唯一のオケですからねぇ。(指揮者チェリについては、ベルリンフィルの指揮者の座をめぐる確執話『ベルリン・トライアングル』が、超面白かったです。)

 コントラバス奏者の調整法、興味深い話しですね。
 私も昔、吹奏楽で低音楽器をやってましたが、低音は音楽全体の骨格を作るものだと教えられ、もしかして組織全体を見る視線を養うのには役立ったのかも。ティンパニ奏者と共に、陰のコンサートマスターぶったつもりでいたかな・・・(偉そうに言えない昨今なのだけれど)。

投稿: Kikuchi | 2009年2月12日 (木) 10時14分

>kikuchiさん

>お、音楽とは、私をおびき寄せる話題か(なわけな
>いよね(笑))。しかも読響は好きですよ。なんせ
>チェリビダッケの棒で演奏した日本で唯一のオケで
>すからねぇ。

僕は恥ずかしながら、音楽は詳しくないのですが、きくちさんはかなり造詣が深そうですね。
チェリビダッケの話題とは。

>コントラバス奏者の調整法、興味深い話しですね。

この奏者の方の話は面白くて、前にも記事で取り上げたのですが、音楽を始めたのは16歳のときだとか。その方は「何かを始めるのに遅すぎることはない」とおっしゃっていましたよ。

>私も昔、吹奏楽で低音楽器をやってましたが、低音は>音楽全体の骨格を作るものだと教えられ、もしかして>組織全体を見る視線を養うのには役立ったのかも。
>ティンパニ奏者と共に、陰のコンサートマスターぶっ>たつもりでいたかな・・・(偉そうに言えない昨今なの
>だけれど)。

そうだったのですか。音楽ができる方はうらやましいなぁ。僕は音痴で、ダメです。
知る会の中には、音楽が好きな方がほかにもいますから、送信所バンドなんかが組めると、楽しそうですね。
検見川送信所でクラシックコンサートなんかもできると、面白いなぁと夢は膨らむのですが。

投稿: 久住コウ | 2009年2月13日 (金) 01時28分

>チェリビダッケの話題とは。
以下、簡単に概略箇条書きだけ。1.終戦後、無名の若者にも関わらず突如現れ、世界最高オケとも言われた名門ベルリンフィルの指揮者になった。2.彼が指揮台に立つと今まで誰も聴いたことの無い音響を放った。3.厳格な音合せで知られた。4.日本の禅に近い独特の音楽思想を持っていた。5.録音嫌い、というか録音は彼の思想に反することだった。6.天才にありがちの「超」が付く程の偏屈な性格。7.それが災いしてか、カラヤンにベルリンフィルの座を追われ、各地を廻る。8.ブルックナーが十八番。
そんなところでしょうか。要するに人物としても面白いです。

>「何かを始めるのに遅すぎることはない」
真理を突く言葉。勇気づけられます。

>検見川送信所でクラシックコンサートなんかもできる
>と、面白いなぁと
私も今は楽器は出来ませんが、送信所の奥を、元の吹き抜け空間に戻して、ミニライブなど聴いてみたいですね。それも、あまり手を加えない方が雰囲気が出そう。

明日は、本番。よろしゅ~。

投稿: Kikuchi | 2009年2月13日 (金) 16時44分

kikuchiさん

送信所イベントお疲れ様でした。
いやぁ、疲れました(笑)。

チェリビダッケについて。
エピソードが面白いので、評伝、自伝などを読んでみたいと思いました。
昨日、東京新聞のコピーを取りに図書館に行った際に、検索をかけてみました。
いくつか出ていますね。

「ベルリン・トライアングル」は見つかりませんでしたので、買って読んでみるかなと思っています。

CDのお勧めはありますか?
一枚は図書館にもありましたが、貸し出し中でした。

投稿: 久住コウ | 2009年2月14日 (土) 23時46分

久住さんはじめ多くの努力で、大成功でしたね。本当にお疲れ様&「ブラヴォー!」です。

以下、折角ですので、マニア丸出しのレスを(笑)。
>エピソードが面白いので、評伝、自伝などを
 評伝など3冊出ていますが、実はどれも持ってます(エヘヘ)。今は入手しづらい本もあるので、そのうちお貸ししましょうか。特に気難し屋からコメントを引き出した記者の手腕など参考になるかもしれません。

>「ベルリン・トライアングル」
 これは「クラシック・ジャーナル」(アルファベータ)の連載歴史小説でしたが、既に「カラヤンとフルトヴェンクラー」(中原右介,幻冬社)として筆名を変えた単行本として出たようです。音楽版の「白い巨塔」とも言われたようです。

>CDのお勧めはありますか?
 彼の生前は、録音はすべて「海賊版」扱いでした。でも死後にどーっと発売されました。(カラヤンより売れてるのでは?)
 久住さんなら、チェリが若い頃、終戦間もないベルリンの廃墟で演奏した生映像が関心持たれるかもしれません。(占領下のソ連向け宣伝用だっけかな)迫力あります。曲はベートーヴェンの「エグモント序曲」で、DVD「フルトヴェンクラーと巨匠達」に収録されています。私も持ってますのでお貸ししましょう。
 確かリハーサル風景のビデオも家のどこかにしまってあります。(物凄い格好で棒を振り回してます)
 名演を挙げればムソルグスキーの「展覧会の絵」,チャイコフスキーの「交響曲第5番」,ブルックナーの「交響曲第8番」。これらは私の好みですが、まるで宇宙の彼方から来るような音響が最高です。プロコフィエフの「古典交響曲」も捨て難いし、ブラッヒャーの「パガニーニの主題による変奏曲」は物凄いテクニックと迫力に圧倒されました。

投稿: Kikuchi | 2009年2月16日 (月) 17時57分

>久住さんはじめ多くの努力で、大成功で
>したね。本当にお疲れ様&「ブラ
>ヴォー!」です。

お疲れ様でした。千葉テレビの放送も無事終わりました。送信所の映像を見た、うちの配偶者は「四角いのに、丸い不思議な建物だね」といっていました。kikuchiさんの曲線の研究結果、楽しみにしています。

送信所の図面ですが、ご提示された情報をトレースすると、ひょっとする可能性がありますね。アプローチの方法を考えてみませんか?

> 評伝など3冊出ていますが、実はどれ
>も持ってます(エヘヘ)。今は入手しづ
>らい本もあるので、そのうちお貸しし
>ましょうか。

図書館で探したところ、以下の本があるようです。借りて読もうかと思っています。

チェリビダッケ  異端のマエストロ チェリビダッケ音楽の現象学
チェリビダッケとフルトヴェングラー
二十世紀の巨匠たち
評伝チェリビダッケ
私が独裁者?モーツァルトこそ!  チェリビダッケ音楽語録


特に気難し屋からコメントを引き出した記者の手腕など参考になるかもしれません。

>「ベルリン・トライアングル」
 これは「クラシック・ジャーナル」(アルファベータ)の連載歴史小説でしたが、既に「カラヤンとフルトヴェンクラー」(中原右介,幻冬社)として筆名を変えた単行本として出たようです。音楽版の「白い巨塔」とも言われたようです。

見つかりました。「カラヤンとフルトヴェングラー」ですね。ちょっとだけ題名が違っていたみたいです。いずれにしても、図書館にはなかったので、こちらはお買いあげかな。

> 久住さんなら、チェリが若い頃、終戦
>間もないベルリンの廃墟で演奏した生映
>像が関心持たれるかもしれません。

それは興味深い映像ですね。機会があれば、お貸しください。

一応、弁明しておきますと、僕は廃墟好きではないです。軍艦島は祖父の島として興味を持っておりますが。といいながらも、廃墟マニアの方がいう、廃墟の魅力は分からないでもありません。しかし、ただ、廃墟だから好きというわけではないです。

ややこしく書きましたね。
魅力のある廃墟は好きです。そう書くと、なんだか、なんか当たり前のことになってしまいますが。

> 名演を挙げればムソルグスキーの「展
>覧会の絵」,チャイコフスキーの「交響
>曲第5番」,ブルックナーの「交響曲第8
>番」。

すごく参考になりました。ちょっと探してみます。順番に手を出してみますよ。

投稿: 久住コウ | 2009年2月17日 (火) 00時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/153718/44029722

この記事へのトラックバック一覧です: コントラバス奏者の「仕事の流儀」:

« 今週の東洋経済は「世界経済危機」 | トップページ | 検見川無線のプロジェクトX、限定50部 »