« 明日16日、千葉テレビで「検見川送信所」特集 | トップページ | 新聞をきれいにスキャンするコツ~エプソンGT-X970 »

2009年2月16日 (月)

昭和初期の左官の技術力~検見川送信所シンポジウム@さや堂から

検見川送信所シンポジウム@さや堂が14日、千葉市美術館で開催されました。

午前11時からは、さや堂の設計担当だった元「大谷研究室」の岡部則之さんのガイドによる、さや堂(旧川崎銀行千葉支店、昭和5年)見学。美術館の好意により、普段は立ち入り禁止となっている二階部分の見学もできました。

2階部分の見学 検見川送信所シンポジウム@さや堂

さや堂の設計に当たっては、いかに残し、手を加えず、空調や照明を導入するかに苦労されたそうで、入り口部分の2重扉の上部に、さりげなく空調が設置されていたことは説明を聞くまで分かりませんでした。

また、岡部さんは左官の技術の高さについて言及されました。現在の技術を持ってしても、分からない点は多く、こうした技術が廃れてしまうのは残念だ、と話されていました。

参加者に説明する岡部さん 検見川送信所シンポジウム@さや堂

旧川崎銀行には検見川送信所との共通点もあるそうです。それは外壁に人工石洗い出し仕上げという手法が使われていること。

さや堂ホールの外壁は一見、石のように見えるのですが、丹念な職人技によるものだということです。検見川送信所には、一切目地がなく、どうやったのか分からない、と言います。目地があれば、そこを区切りにして、塗ることもできますが、目地がないということは全面を一気に塗るとか、境目を作らないように工夫をしなければ、いけないわけです。

これまで、検見川送信所は(1)吉田鉄郎の設計デザインが優れている、(2)日本初の国際放送を行った場所で歴史的にも意義深い、となどと言ってきたわけですが、これに職人の技術力も加えなければいけません。

子供がよくやるクイズで「江戸城を建てた人は?」というものがあります。「徳川…家康?家光?太田道灌?」というと、「違う。大工さん」と答えるというものですが、実は真をついた答えだと思います。

建物は施工主、設計者も重要ですが、建物は多くの職人の高い技術力によって支えられている。これは頭では理解していても、忘れがちなことでしょう。

大正末期、昭和初期は「モダニズム」と呼ばれたコンクリート建築の黎明期です。職人たちは試行錯誤を重ねながら、内と外の壁を塗っていったのでしょう。

現在のさや堂の内壁は昔ながらの水性塗料で塗られているそうですが、今も白く光っています。岡部さんは午後のシンポジウムの会場となった11階の講堂の壁を指して言います。

「さや堂の壁はあんなにきれいなのに、こちらの壁は汚れているでしょう。これが本物との違いですよ」。

こちらには現代のポピュラーな部材が使われています。いかに現代が進歩しようとも、「本物」には勝てない。こうした技術を次世代に繋げる意味でも、しっかりとした保存がなされるべきだと感じました。

人工石洗い出し仕上げの壁を見る参加者 検見川送信所シンポジウム@さや堂

|

« 明日16日、千葉テレビで「検見川送信所」特集 | トップページ | 新聞をきれいにスキャンするコツ~エプソンGT-X970 »

検見川送信所」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/153718/44081622

この記事へのトラックバック一覧です: 昭和初期の左官の技術力~検見川送信所シンポジウム@さや堂から:

« 明日16日、千葉テレビで「検見川送信所」特集 | トップページ | 新聞をきれいにスキャンするコツ~エプソンGT-X970 »