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2009年3月11日 (水)

東京中央郵便局の保存問題が政治決着

吉田鉄郎氏設計による東京中央郵便局の建て替え問題が「政治決着」しました。日本郵政側が鳩山総務大臣に「登録文化財を目指すよう計画を見直す」と申し出て、鳩山総務大臣がこれを了承したのです。

この経緯は不透明ですが、水面下で交渉が進められたようです。ここまで工事が進んだ以上、計画はとめられない。また、文化財保護の観点をバッサリ切り捨てた場合、新生「JPタワー」の経営にも影響が出てくる。どちらもそれほど傷つかないよう妥協点を見出すしかなかった、ということでしょう。残念ながら、全面保存への道は断たれたということでもあります。

この問題は多くの切り口を持っています。また、さまざまな声もあがりました。鳩山総務大臣に賛同する声もあれば、「民間企業が利益追求をして、何が悪い」という声も。また、「異議があるなら、鳩山大臣はもっと早く言うべきだったのではないか」という意見もありました。

時期については、確かに、その通りだと思います。「東京中央郵便局が国の重要文化財である」という声は再開発計画が進む前から出ていました。国会議員も超党派で保存を訴える会を作っていましたし、もっと早くに議論が起こっていれば、全面保存も、かなったかもしれません。専門家は高層化しなくても、容積率をほかのビルに売れば、日本郵政は利益を得ることができると提言していましたから。

ただ、その声は結局、無視され、計画は急ピッチで進んでいったのです。過ぎたことを悔いても、何もなりません。たとえ、「遅い」といわれる今であっても、鳩山大臣が声を上げなければ、東京中央郵便局は薄皮一枚の壁が残されただけで終わってしまったのでは間違いありません。そういう意味で、鳩山大臣の一言の意味は大きかったと思います。

その一方、思うのは、「政治決着」がなければ、保存問題は前進しなかったという事実に対する悲しさです。

専門家による重要な提言、「残してほしい」という市民の声は届かなかった。(もちろん、それらの声が意味がなかったとは思っていません。声が鳩山大臣を後押ししたのでしょう)。日本は民主主義国家であるはずですが、市民の声がかなう可能性が低い。文化は経済、政治に負けてしまう。

建物というか、広く文化財についてですが、僕はこう思うのです。真価については100年後の人々が判断することである、と。僕らは自分の子供、孫に何を残せるかを考えていかないといけないのでは、と。

東京中央郵便局が政治決着を迎えた同日、千葉市市議会でも同じ吉田鉄郎氏による検見川送信所の保存問題について、ひとつの結論が下されました。これについてはエントリー(記事)を分けることにします。

検見川送信所については、こちらをご覧ください。

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