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2009年4月16日 (木)

「Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター」★★★★

出張で大阪に来ています。新幹線の中でも2冊読むことができました。

今やグーグルを語らずして、インターネットは語れない。そのグーグルはいかに誕生したかを綴ったのが同書です。著者はワシントンポストの記者。丹念な取材が伺え、巷に増えたグーグル本とは一味も二味も違う内容になっています。

2009年4月11日 (土)
「なぜグーグルは創業6年で世界企業になったのか」★★

ビジネス書に留まらず、サーゲイとラリーという二人の若者のサクセスストーリーにもなっていて、読み物として面白い。

グーグルの基本理念は「邪悪になるな」。

誕生当時、検索サービスは商売にはならないと思われていて、ポータルサイト大手、ヤフーも消極気味。彼らはいかに自分のサイトに留まらせ、サービスを使って収益を上げるかに力を注いでいたのです。

グーグルの2人の若者は違いました。これまでの検索システムに不満を持っていて、とにかく世界のサイトをダウンロードして、自由に検索したいと思ったようです。スタート時の話を読むと、商売欲はほとんどなく、探求心が伺えます。

結果的に商売上手となるわけですが、彼らの凄いところは自分流を貫いたことでしょうか。投資家たちも競わせたり、口を挟まさせることもさせなかった。

それはやはり、先ほどの企業理念が大きいように思えます。会社は誰のものか、誰のために存在するのかというのは大きな命題であり、いろんな答えはあるでしょう。

ただ、特定企業や株主の利益を優先すれば、どこかで衝突するのは間違いない。Gメールでは、文脈に合わせた広告が表示されるためメールが読まれているというプライバシーの問題が指摘されましたが、これをなんとかクリアできたのも、企業理念によるものが大きいかと思います。

つまり、社会のためを一義に上げることは結果としては損にならない。

とは言いつつ、全ての情報がインデックスされ、整理されて陳列されると、既存の情報関連企業の権利を侵害することもあります。例えば、図書館の本を全部スキャンし、インデックスする「ブック検索」は著作権利者への利益の分配を具体的にどうするのか、などまだクリアすべき問題があるでしょう。

アルゴリズムによる検索表示も人的操作はなく、適正であると主張しますが、やろうと思えば、世論を動かすことさえ簡単にできます。グーグルのシステム、経営はブラックボックス状態であり、鵜呑みにできない部分もあります。当初の理念を忘れずにいてほしいと感じました。

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コメント

企業理念については私も最近良く考えるようになりました。

目的である永続的発展を続けるには、結局のところ社会に対して有用である存在意義を示すことが必要で、利益なんてものはそのための手段の一つに過ぎない・・・と思っています。

まして株主利益など、一部のそのまた一部です(笑)

先ずは社員が幸せでないと、どっち道続かないと思うんですけどね♪

投稿: しぇるぽ | 2009年4月16日 (木) 12時15分

しぇるぽさん

>目的である永続的発展を続けるには、結局の
>ところ社会に対して有用である存在意義を示
>すことが必要で、利益なんてものはそのため
>の手段の一つに過ぎない・・・と思ってい
>ます。

利益がでないと困るのですが、社会に有益であれば、その会社は自然に生き延びるでしょうし、利益も自然と上がっていくのでしょう。その利益はその担い手に適正に分配されなければいけません。

>先ずは社員が幸せでないと、どっち道続かな
>いと思うんですけどね♪

グーグルは福利厚生も進んでいるようで、社員は飲食もただ、とか。語学学習への補助があるなど、いろいろなサポートがあるんだそうです。社員が楽しく過ごせるというのはよいことですね。

投稿: 久住浩 | 2009年4月16日 (木) 12時39分

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