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2009年5月24日 (日)

「建築家 安藤忠雄」★★★★



「住まうとは、時に厳しいものだ。私に設計を頼んだ以上、あなたも闘って住みこなしてほしい」。
家を建てたいという人が来た時に、私はこう説明する。

これは同書の中の一文です。

住み手は住居に対して、快適性を求めます。僕も数年前、家を建てましたが、その理由は「マンションが狭くなったから」「庭が欲しい」などでした。ローンを背負うことには「覚悟」しましたが、住まうこと自体に「覚悟」がいるとなると、躊躇してしまう。

安藤さんは高校時代はボクサー。独学で建築を学び、1ドル360円の時代に世界の名建築を見て回り、「住吉の長屋」で衝撃的なデビューを飾ります。

「住吉の長屋」は玄関側に窓はなく、狭い割に中庭があり、トイレに行くにも、外履きに変えて、雨にも濡れるというもの。安藤さんは住居に不自由さはあって当たり前で、寒ければ、一枚羽織ればよい、夏ければ、一枚脱げばよい、と考えています。この建物には「挑戦」「覚悟」といった安藤さんの人生哲学そのもののような気がします。

世の中で名を成した人物をみると、常識の否定からはじめる方が多い。岡本太郎もしかり、写真家の森山大道しかり。それでも、彼を認め、支えるパトロンがいなかったら、世にその名を広めることはなかったでしょう。

安藤さんの場合、「やってみなはれ」の言葉で有名なサントリーの佐治敬三会長が背中を押しています。安藤さんは佐治さんから、こんな風に言われたそうです。

「とにかく人生はおもしろくなければダメだ。仕事をいている間もワクワクしてみろ。感動しない人間は成功なぞしないぞ」

金言ですねぇ。今、こういうパトロンはいるでしょうか?

内容としては、東大での講義録「建築を語る」「連戦連敗」を年代的にまとめたような印象。最初に読んでいたせいか、前二冊の方がインパクトがあったかも。ただ、安藤さんのことを一通り知りたい人の最初の1冊としてはよいかもしれません。

名建築を見ようとでかけた世界旅行では、延々と風景が変わらないシベリア鉄道に2度乗ったり、灼熱のインドで座禅を組み、「世の中に挑戦していくのだ」と決意するなど面白いエピソードがあるはずですが、欠落しています。もう少し書き込んだ「安藤忠雄 青春編」をぜひ読んでみたいなぁ。

2009年4月12日 (日)
「光の教会―安藤忠雄の現場」(平松剛)★★★★


2009年3月17日 (火)
iPodTouchで東大の講義を

2007年8月24日 (金)
●安藤忠雄「連戦連敗」


2007年8月21日 (火)
安藤忠雄「建築を語る」


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