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2009年11月15日 (日)

一時金交渉、異変あり

組合執行部に入って、3年目。本部書記長2年目となった今回の年末一時金はもっとも厳しい経済闘争となっています。

リアルな「沈まぬ太陽」とでもいいましょうか。

委員長というのが最高責任者でありますが、書記長は実務的な職であり、会社とも組合員とも直接的な窓口を務めます。交渉全体のシナリオを描き、実行する作戦参謀みたいな仕事です。

今冬の一時金は各企業ともに厳しく、平均で15%程度のダウンが提示されているというのは報道がなされている通りです。

我が社の場合、ダウン額は18%相当のダウンにあたります。

夏に比べ、あまりにも下げ幅も大きく、組合員の生活設計の根幹を大きく揺るがす事態となっています。また、今回のダウン幅が続くのではないか、との不安も増大しています。

労使はここ十年、労使協調路線を執り、スト権確立をせず、交渉に入っていました。しかし、第一次回答後の集会では、組合員から「スト権を立てるべきだ」「執行部が弱腰だからではないか」といった批判もいただきました。こうした発言は真摯に受け止めますが、精神的には結構きついですね。

ストは労働者の権利ではありますが、実施された場合、労使関係が崩れるだけではなく、労使双方に経済的にも大きな影響が出ることから、実行には高度な判断が求められます。経済闘争は今回だけでありませんから、長期的な視野に立たなければいけません。

ただ、執行部に批判が向けられたのでは、闘うことができなくなります。今回はスト論議をいったん留保しながらも、違う手法で「闘う」ことを見せることにしました。

労務役員からは「ゼロ回答ではないから、経営責任うんぬんいうのはおかしい」など不適切な発言もあったことから、労務役員を徹底的に攻撃したのです。

これまでも対立局面がなかったわけではありませんが、ここまで、名指しで激しく攻撃したのは初めてといっていいでしょう。組合ニュースでも「許せない」とぶち上げ、通例にはない集会を開催し、労務サイドを攻め、就業時間前には会社役員に向けてビラ配りも敢行。執行部に向けられた怒りをすべて会社側に変換させることにしたわけです。

労務役員への攻撃は一度ならず、第二波、三波とやり続けました。その結果、第二次回答では役員が発言を謝罪し、撤回するまでに至りました。これも、組合員が声を上げて、行動を起こしたからこそです。一人一人の力は小さくとも、全体が声を少しずつ上げることで、会社を動かすことができる。

9月、新執行部になってから、いくつかの改革を行いました。ITを可能な限り、駆使して、会社よりも先駆的な集団であることをアピールすることを心がけました。

キーワードは「情報の公開」と「参加」です。

具体策は以下の通りです。

組合ニュースを読みやすく
ex)これまで文字だらけだったニュースをよりビジュアル的に。
執行役員の顔写真を入れ、「である」調から「です」「ます」調に。親しみやすく。

メールニュースの配信
外勤職場や遠隔地の職場にも関心を持ってもらう。

スカイプ(ネット電話)の導入
東西の支部を結び、連絡を密に。テレビ会議で経費節減。同時に、会社側に経費節減策を見せる

ビデオの導入
活動をビデオで撮影し、集会で組合員に向け、活動を可視化する。

これまでの組合活動は執行部任せの面が大きかったのは事実です。一組合員時代の僕自身もそうでした。たぶん、多くの企業の労働組合も同じ状況であったでしょう。平時であれば、それでもよかったかもしれません。

今は労働の危機。生活の危機です。

この大きな荒波を乗り切るためには、より大きな力が必要だと考えています。それには、関心を持っていただくことが大事です。密室で決めてしまったら、人任せにするのは当たり前です。

会社が何を考え、どんな発言をしたのか。それをあらゆる手段で見せれば、みんなが考える。無関心ではいられなくなる。個人個人が問題意識を持つことで、より強い行動がうまれる。最終的には会社の力になる。

組合執行部は組合員のために闘うのですが、それは会社のために、会社を愛するがゆえです。闘いは来週、最終局面を迎えます。ブログ更新は、しばらくお預けです。

そんなこんなのうちに、12日に一つ年を取ってしまいました。


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コメント

お誕生日おめでとうございま“した”(笑)

なんだか組合員と会社の板挟み・・・にも見えますね。まぁ、どちらも愛しておられるからこそ耐えられるのでしょうけれど。

再来週都内におります。山場を越えたところでお会いするチャンスがあるといいですね♪また連絡します。

投稿: しぇるぽ | 2009年11月15日 (日) 14時57分

やはりお誕生日でしたか。
Skypeのメッセージに誕生日を意味する表示が出ていたのでテキストで送信した次第です。

>「である」調から「です」「ます」調に。
これは良いですね!
どうしても固い口調になると読むことすら敬遠してしまいます。
戦い的な意味合いだからしょうがないのでしょうが、我が社ではなにかと戦争時代をイメージしてしまう表現が目立ち、引いてしまいますもの。

投稿: アンビンバンコ | 2009年11月15日 (日) 21時11分

しぇるぽさん

>お誕生日おめでとうございま“した”(笑)

ありがとうございました。

>なんだか組合員と会社の板挟み・・・にも見えま
>すね。まぁ、どちらも愛しておられるからこそ耐
>えられるのでしょうけれど。

会社側の人間には貸しはあっても、借りはありません。しっかり働いていますから。組合的にも、同じ。
会社のために、経費削減にも協力し、組合員にはのんでもらった。しかし、それがあっての大幅マイナスというのは許し難い。

まずは「隗より始めよ」じゃないですか。

>再来週都内におります。山場を越えたところでお会
>いするチャンスがあるといいですね♪また連絡します。

再来週というのは30日からの週ですか?
30日は予定ありですが、以降は未定です。上京の日を教えてください。

投稿: 久住 | 2009年11月16日 (月) 09時56分

アンビンバンコさん

>やはりお誕生日でしたか。
>Skypeのメッセージに誕生日を意味する表示が出て
>いたのでテキストで送信した次第です。

それは知りませんでした<スカイプ
僕の見方が悪いのかもしれませんが、スカイプのメッセージは読めていません。もう一度、トライしてみますね。


>>「である」調から「です」「ます」調に。
>これは良いですね!
>どうしても固い口調になると読むことすら敬遠して
>しまいます。

そうなんですよね。決起せよ。ねばならない、とか。ひいちゃいますよね。
闘争といっても、以前のような闘争ではないのですから。

>戦い的な意味合いだからしょうがないのでしょう
>が、我が社ではなにかと戦争時代をイメージしてし
>まう表現が目立ち、引いてしまいますもの。

窮状を訴え、正当性をきちんと主張すれば、いいのだと思います。また、執行部が上とか、組合員が下であるというわけでもありません。

執行部は組合員の代弁者であり、命令する立場でもないわけですから。

投稿: 久住 | 2009年11月16日 (月) 10時02分

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