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2009年12月25日 (金)

「アバター」(DVD 4/23発売)★★★★ 3Dの映像革命よりもキャメロンの世界観だ

23日午後9時から、シネプレックス幕張での最終回。客入りは4割程度。3Dシアター、2000円。

iPhoneのアプリ「大辞林」でアバターを引くと以下の通り。

大辞林大辞林

【avatar】アバター 〔サンスクリット語で「地上に降りた神の化身」の意〕 インターネット上で,顔・髪形・服装・持ち物などを自由に選択してつくったオリジナルのキャラクター。自分の分身として,ネットワーク・ゲームやチャットルーム,掲示板などで利用する。

当初、映像を見た時は「不気味なキャラクターだな」と思い、あまり見る気がしなかった、というのが正直な感想でした。

こんな人は少なくないのでは。しかし、これは見るべし、です。

映像革命とも言える3Dのすごさが評判になっていますが、それよりも、ジェームズ・キャメロン監督の世界観に圧倒されます。例えるなら、「2001年宇宙の旅」を見た時の衝撃とでも言いましょうか。

キャメロン監督は3D映画を作りたかったのではなく、その世界観を映像化するのに技術が追いついた、ということなんでしょう。

主人公は半身不随、車椅子の退役軍人ジェイク。科学者だった双子の兄が不慮の事故で亡くなったことから、地球よりはるかに離れた衛星パンドラに赴きます。パンドラの地下には高価な鉱石があるのですが、それにはナヴィという原住民の存在が邪魔。そこで、地球人の遺伝子とナヴィの遺伝子を組み合わせた人工生物「アバター」を作り出し、ナヴィへのコンタクトを進めようとするわけです。

ジェイクの任務は、そのアバターを操り、ナヴィと接触し、情報収集することであったのですが、やがて、考えを変えていきます。一方、地球人たちは外交が成功しないと分かると、武力行使に動き出す。ジェイクは地球人、ナヴィの間で苦悩。その判断は?

映画にはシンプルで寓話的。その中にキャメロン監督は多くのメッセージを詰め込んでいます。

アバターを通じて、主人公がアイデンティティを確立する話でもあるし、異種コミュニケーションの話でもある。知らない者同士がアバターを借りて、心を通じ、新しい価値観を得ていく姿はまさにインターネット社会のようにも思えます。

また、すべての生物に霊が宿るといったアミニズム的な思想も全面に出ています。

そんな平和的な惑星に対して、武力で踏み込んでいく地球人の姿は、白人のインディアン攻撃のようにも見え、植民地主義や戦争への内省も感じます。

これはアメリカ人の価値観が静かに変わりつつある現れでもありましょう。全体的なトーンとしては宮崎駿、古くは手塚治虫ら日本のクリエーターの影響も感じられます。(※キャメロン監督は日本の新聞社でのインタビューでも宮崎駿監督の影響を認めている)

3D映像については実写部分は立体感がありますが、CG部分は平板な印象。同じく3Dのアニメ「カールじいさんと空飛ぶ家」(未見)との比較もしてみたい。

映画産業は3Dの流れに向かうのは必至。各劇場にとっては設備投資に金がかかるのですが、映像がテレビ、DVD、ブルーレイ、ネット配信など多様化する中、大スクリーン、音響、迫力ある映像は劇場の専売特許。「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」がDVD発売発表後も客足が悪くない、というのもその一例でしょう。

3D映像は今後、大きな武器になります。その歴史を刻むであろう「アバター」「カールじいさん」が作品の質としても高く評価されているのは3D化の流れを加速するでしょう。

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