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2011年1月19日 (水)

ブルース・チャトウィン モレスキンを愛した作家

マティス、ピカソ、ゴッホ、ヘミングウェイら芸術家がモールスキンを愛用していたのは有名な話です。そんな一人の中に、ブルース・チャトウィン(1940~1989年)という紀行作家の名前がありました。

「このノートをなくすことはパスポートをなくすことと同じくらい災難だ」という彼の言葉は、モールスキンの帯にも印刷されています。目下、このノートにすべてを書き込んでいるボクは、いたく共感してしまいます。チャトウィンはどんな風にモレスキンに書き込んでいたのでしょうか?

ブルース・チャトウィン本
ロンドンで購入したペーパーブック

http://www.tekhne.jp/product.php?id=1によれば、モレスキンは1986年に生産中止に追い込まれました。(現在の製品は新たに別の会社が復刻したもの)その時、チャトウィンはパリ市内の某書店に残っていた最後の在庫をありったけ買い込んだそうです。


デビュー作となった南米パタゴニアの旅行記。チャトウィンはそのパタゴニアを南下するしていくのですが、そのきっかけとなったことが大変ユニークです。それは彼の幼少時代にさかのぼります。

祖母の家には従兄弟で船長だった人物がパタゴニアから持ち帰ったという動物の革が飾られていました。それは恐竜プロントサウルスの皮の一部と教えられた彼は強い興味を抱きます。

祖母が亡くなったときに、譲り受けることを密かに狙っていたのですが、ゴミといっしょにあっさりと捨てられてしまいます。結局、それは太古の恐竜のものであるわけはなく、ナマケモノの一種で、現在は絶滅種のミロドンだと分かります。

彼は、その皮が見つかった最南端の町を目指していきます。

彼は強風が吹く”風の国”で、さまざまな人たちと出会います。インディオ、入植してきた白人。そこに歴史的なエピソードと、彼の考察が挿入されていきます。

映画「明日に向かって撃て!」のブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド、進化論のダーウィン、冒険家マゼラン・・・といった世界的に有名なものから、ボクにはなじみのないものまで。

話は次々に飛んでいきます。ひとつひとつのエピソードはつながっているのか、どうかは微妙。彼は思いつきと飛躍の名人です。

それに戸惑いながらも、読み進めていくと、混沌としたパタゴニアの大地が少しだけ見えてくる気がしました。読み終えると、もう一回読み直してみたくなる本です。

「ウィダの提督」(絶版)/映画「コブラ・ヴェルデ」(こちらも絶版の恐れあり)

この原作を映画化したのが「コブラ・ヴェルデ」。チャトウィンはガーナロケを見学。その時のことを「ヴェルナー・ヘルツォーク・イン・ガーナ」とのエッセーで綴っている。このエッセーは死後、編纂された短編集「どうして僕はこんなところに」に収録された。

ウッツ男爵―ある蒐集家の物語邦訳絶版。

マイセン人形に魅せられた男、ウッツ男爵の物語。ウッツ男爵が亡くなり、そのコレクションが一夜にして、消えた。生前、男爵と会った「僕」はそのナゾを解き明かそうとします。

88年発表の作品で、89年、48歳の若さで亡くなった(死因はエイズらしい)チャトウィンにとっては最後の小説になるそうです。

ミステリーではなく、その人間の実像に迫るという感じ。陶器やプラハという町に詳しくないボクはやや苦労して読みましたが、全体としては軽妙な話。美術商サザビーズの勤務歴や考古学を学んだ経験が活かされているように思えました。万人にお勧めできる類のものではありませんが、不思議な雰囲気を持っています。

この原作は「マイセン幻影」という映画にもなっています。こちらもビデオのみで絶版。渋谷のツタヤでレンタル可能です。

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