東京

2009年6月30日 (火)

東京中央郵便局庁舎保存問題から 大阪中央郵便局庁舎の課題へ

「検見川送信所を知る会」のイベントではありませんが、送信所の設計者である吉田鉄郎さん関連のシンポジウムが以下の通り、開かれます。

「東京中央郵便局庁舎保存問題から 大阪中央郵便局庁舎の課題へ」

日時 : 2009年 7月17日(金) 18:30~20:40
会場 : 建築家会館一階ホール
主催 : JIA関東甲信越支部+保存問題委員会

詳しくはこちら(pdfファイル)をごらんください。

送信者 吉田鉄郎建築
送信者 吉田鉄郎建築

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2009年6月22日 (月)

第40回みなづき会展

 電電公社の建築部OBによる美術展「第40回みなづき会展」が東京・京橋のギャラリーくぼたで開催されています。京橋近辺はこうした貸しギャラリーが密集しています。なにか謂われがあるのでしょう。午前、成田で開催された写真展にも来てくださった公社OB、Mさんの方を訪ねて、出かけました。


大きな地図で見る

 建築家による絵画ということもあり、ひと味違います。けっして、建物ばかりというわけではなく、裸婦や人物画、抽象画もあり、バラエティーあふれる内容。精密な筆致もあれば、大胆な省略もある。

 検見川送信所の設計者である建築家、吉田鉄郎も当初、画家を目指していました。画家を目指した建築家の方々は非常に多いんですね。

検見川送信所の資料もお持ちして、Mさんと歓談。ほかの方も興味を持っていただき、結局、1時間半、おじゃましました。「検見川送信所を知る会」の資料なども、お渡ししました。もしかしたら、会場に置いていただいているかもしれません。27日(土)まで。

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2009年6月 9日 (火)

6月14日、皇居周辺の景観を考える会

東京中央郵便局の動きに絡んで、以下のようなシンポジウムの案内をいただきましたので、転載しておきます。シンポジウム当日の6月14日は千葉市民には大事な千葉市長選ではあります。

写真は先日、ライカM3、ウルトラ・ワイド・ヘリアーで、東京駅丸の内から皇居側を撮ったものです。

送信者 東京

皇居周辺の景観を考える会では、昨年11月1日に学士会館で開催したシンポジウムの第二弾として、
下記のシンポジウムを開催します。
千代田区議会では、東京中央郵便局について支援いただきましたが、このほど、「皇居周辺景観及び観光施策特別委員会」がスタートするという動きがあります。

1.タイトル 「皇居周辺の景観」第二弾
       都心の建築デザインはいま
      -超高層と歴史的建物、みんなで考える場を求めて

2.開催趣旨:東京都は首都東京の顔である皇居周辺を、「水辺や緑と調和し風格ある景観」としていくために、この4月に景観誘導区域として指定し、あわせて良質な建築のデザインを誘導するための指針を定めました。
都心地区および対象地域では、今まさにパレスホテルや東京中央郵便局・歌舞伎座・三菱倉庫・官庁群の再開発計画や外濠などで超高層建築物が建設されようとしていますが、開かれた十分な議論もないまま、進められています。
このシンポジウムでは、これら再開発の建築デザインを検証しながら、都と区の景観計画が、どのようなデザインを評価し、何をめざしているのかについて考えます。

3.日時 平成21年6月14日(日)13時30分~16時30分

4.会場 東京大学工学部第14号館1階141教室

5、問題提起:五十嵐敬喜氏(法政大教授)

司会:福川裕一氏(千葉大学教授)

パネリスト:中島直人氏(東大助教)
川西崇行(早稲田大学講師)
窪田亜矢氏(東大准教授)
後藤治氏(工学院大学教授)

総合司会:大橋智子

6.資料代1000円(交流会5時~6時 会費1500円予定)

7.主催:皇居周辺の景観を考える会  03-6380-8818
 後援:日本都市学会(関東都市学会)・千代田のまちづくりを考える会

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2009年5月 2日 (土)

メーデーもアートだ

5月1日、第80回中央メーデー。労働をめぐる問題は深刻。雇い止め、内定取り消し、賃金カット…。

難しい話はきりがないのだけど、それはさておき、メーデーは労働者のお祭りであり、表現の場である。そして、すべての表現はアートなんだということを気づかさせてくれる。

送信者 2009 05 01
送信者 2009 05 01

土建系の組合は楽しませてくれる。青年部はエヴァンゲリオン。文字はやっぱり明朝体。

「逃げちゃダメだ 逃げちゃダメだ 逃げちゃダメだ」

そうだよな、逃げちゃダメだ。

送信者 2009 05 01

「あのオバマさんも応援にきました」だそうです。

「ホテルのバー通いより失業・貧困対策 チェンジ 麻生さん」
「やればできる さあ元気に行進 Yes We Can!」

送信者 2009 05 01

揺れる国会。左右には麻生さんと小沢さんが並んで、揺れていました。

訴えかけるものはそれぞれ切実なんだけど、思わずニヤッとしてしまいます。単なる「怒り」だけでなく、捻りがありますね。

カメラはGR DIGITAL2を使いました。


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2009年3月30日 (月)

東京中央郵便局シンポジウムで考えたこと

仕事で大阪に来ています。少しまとまった時間があったので、22日、田町の建築会館で開催された東京中央郵便局をめぐるシンポジウムを自分なりに整理して報告したいと思います。

歴史的な公共建築の保存問題は行き着くところ、政治問題になっていくのだとは思う。とは言え、建物の保存うんぬんが政治の道具のように見えてしまったのは、市民の側にとっても、政治家側にとっても不幸であった。

東京中央郵便局はあまりに多くの問題を抱えており、焦点が分かりにくくなっていた。ところが、鳩山総務大臣の「国辱もの」「トキを焼き鳥にするようなもの」といった発言で一躍注目を集め、「かんぽの宿」同様、「鳩山大臣対日本郵政」という図式で語られることになった。安易な図式ではあったが、これが一番分かりやすかったのだろう。

ただ、「かんぽの宿」と決定的に違ったのは、「解体工事が進んでいるのに、何をいまさら」という声と「民間企業に政界が介入するのはおかしい」という声が上がったことである。

この日本郵政が民間会社であり、介入するのはおかしいという論は異を唱えたい。

というのは、同じ論理で、「かんぽの宿」の売却問題を、民間の勝手と言えるだろうか?

これは否だろう。

日本郵政は民間企業とはいえ、その株主は日本政府であり、とどのつまり、株主は国民ということだ。その財産処分に関しては、適切に行われなければならないのは当然だ。何の関わりのない民間企業に文句を言うのとはわけが違う。

「かんぽの宿」と同様に、東京中央郵便局は国民の財産である。高層ビルにした方が儲かるからと言って、安易に解体、建て替えするのはおかしい。しかも、建築家によれば、高層化しなくても、その分の権利を転売などで損をしない仕組みもある。そういったことは検討されなかったのか?

「いまさら論」への声が大きくなったのは、金が原因だ。

郵政側は「工期を遅らせば、億単位の金がかかる」「買い取ってくれるなら、話は別」といった。これに、経済界、経済系のメディア、論客が味方になった。報道は論点すりかえもいいところで、根本的な問題は語らず、鳩山大臣のパフォーマンスであるかのように報じた。これに、一部のテレビコメンテーターも乗った。

全体像を報じないメディアの姿勢にも問題もあるが、国民の側にもリテラシーが求められている。

昨今、世論の動きをみていると、一極集中の傾向が強い。反対、少数派の意見はかき消されてしまう。そこにはほとんど疑念すら見られない。これは非常に危険なことではないか。

数年前、イラク人質問題が起こった時には自己責任論が巻き起こった。確かに、彼らは危険を承知で戦地に赴いた。しかし、人道的支援に出掛けた者を単に自己責任と断じ、彼らのプライバシーを暴く権利が誰にあるのだろうか? 日本人はいつからそんな悲しい人間になってしまったのか?

同じようなことが郵政解散でもいえる。どれだけの人間が真剣に考えただろうか? 小泉首相のキャッチーなフレーズにつられ、民営化、規制緩和賛成とはならなかったか?

年越し派遣村など派遣法も大きな問題になっているが、これも小泉政権での話である。小泉が目指した政策はアメリカを真似した「新自由主義」は、つまりはこういうことであった。これについてはしっかりとした検証が必要だ。

「いまさら論」「政治パフォーマンス」という意見の方には、「東京中央郵便局を重文にする会」の方が話された、こんなエピソードを紹介したい。鳩山大臣は解体された建物を見て、涙を流した、という(もちろん、嘘泣きだってあるかもしれない)。

鳩山大臣を文化財保存の英雄だとまでは言うつもりはない。ただ、保存部分が拡大したのは、鳩山大臣の存在が大きい。建築家の意見も、市民団体も、残念ながら無力だった。これも原因は分かっているが、機会があれば、言及したい。

鳩山氏は昨年9月に総務大臣に就任した。だから、6月に起こった保存論議を知らないでは済まされない。せめて就任直後に声を上げてくれればという感情はあるかもしれない。

しかし、振り返ってみていただきたい。昨年6月から政界で何が起こったかを。自民は総裁選でガタガタ。文化財保存なんて争点になるはずもなかった。

「いまさら論」をめぐっては、責めるべきは日本郵政だ。

重文にする会の資料によると、日本郵政は建て替え前に専門家による歴史検討委員会を設置したが、昨年6月の報告書提出後、すぐに建て替えの請け負い先の入札を行っている。歴史検討委員会の意見はほぼ全員が全面保存を主張していた。また、文化庁も、重要な文化財であるとして、計画の再考を促してきた。この声はどこに消えたのか?

また、工事を請け負った大成建設は実は郵政省時代にも建物の内部調査を請け負っていたという事実も見逃せない。これは奇妙な一致というだけだろうか? 細部を詰めていくと、いろんな疑念が出てくる。 だが、政治決着をもって、うやむやになってしまったのは残念でならない。

ただ、ここにはいくつかの大きな教訓があった。

まず第一に、壊されたらおしまいだということ。

第二に、建物の保存問題を政争の具にしてはいけない、ということ。

第三に、政治家には早めに重要性を理解してもらっておくこと。

ある政治家と話した時、「文化財は有権者の受けが悪いんですよ」と言われた。そりゃ、そうかもしれないなぁ、とも思った。文化財をどうにかしても、利便性がよくなるわけではない。

ただ、星の王子様が言うように「大切なものは目に見えない」のではないか。

東京駅の保存に東京芸大の前野まさる教授は「保存運動は心は清く腹は黒く」と話された。つまり、戦略を持て、ということだと思う。身にしみる言葉であった。

シンポジウムにも出席した五十嵐敬喜法大教授が見た東京中央郵便局問題の真相

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2009年3月11日 (水)

東京中央郵便局の保存問題が政治決着

吉田鉄郎氏設計による東京中央郵便局の建て替え問題が「政治決着」しました。日本郵政側が鳩山総務大臣に「登録文化財を目指すよう計画を見直す」と申し出て、鳩山総務大臣がこれを了承したのです。

この経緯は不透明ですが、水面下で交渉が進められたようです。ここまで工事が進んだ以上、計画はとめられない。また、文化財保護の観点をバッサリ切り捨てた場合、新生「JPタワー」の経営にも影響が出てくる。どちらもそれほど傷つかないよう妥協点を見出すしかなかった、ということでしょう。残念ながら、全面保存への道は断たれたということでもあります。

この問題は多くの切り口を持っています。また、さまざまな声もあがりました。鳩山総務大臣に賛同する声もあれば、「民間企業が利益追求をして、何が悪い」という声も。また、「異議があるなら、鳩山大臣はもっと早く言うべきだったのではないか」という意見もありました。

時期については、確かに、その通りだと思います。「東京中央郵便局が国の重要文化財である」という声は再開発計画が進む前から出ていました。国会議員も超党派で保存を訴える会を作っていましたし、もっと早くに議論が起こっていれば、全面保存も、かなったかもしれません。専門家は高層化しなくても、容積率をほかのビルに売れば、日本郵政は利益を得ることができると提言していましたから。

ただ、その声は結局、無視され、計画は急ピッチで進んでいったのです。過ぎたことを悔いても、何もなりません。たとえ、「遅い」といわれる今であっても、鳩山大臣が声を上げなければ、東京中央郵便局は薄皮一枚の壁が残されただけで終わってしまったのでは間違いありません。そういう意味で、鳩山大臣の一言の意味は大きかったと思います。

その一方、思うのは、「政治決着」がなければ、保存問題は前進しなかったという事実に対する悲しさです。

専門家による重要な提言、「残してほしい」という市民の声は届かなかった。(もちろん、それらの声が意味がなかったとは思っていません。声が鳩山大臣を後押ししたのでしょう)。日本は民主主義国家であるはずですが、市民の声がかなう可能性が低い。文化は経済、政治に負けてしまう。

建物というか、広く文化財についてですが、僕はこう思うのです。真価については100年後の人々が判断することである、と。僕らは自分の子供、孫に何を残せるかを考えていかないといけないのでは、と。

東京中央郵便局が政治決着を迎えた同日、千葉市市議会でも同じ吉田鉄郎氏による検見川送信所の保存問題について、ひとつの結論が下されました。これについてはエントリー(記事)を分けることにします。

検見川送信所については、こちらをご覧ください。

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2009年3月 4日 (水)

東京中央郵便局の全面保存はまだ間に合う

「何かを始めるのに、遅すぎることはない」

これは、あるコントラバス奏者の言葉です。音楽家という方は幼少の頃から楽器に親しむのが普通ですが、彼は16歳にして初めてコントラバスを初めて手にし、23歳で楽団に入ったそうです。「夢を持つ若者にはこういいたい」と彼は言って、文頭の言葉を続けました。

さて、東京中央郵便局の保存問題が注目を集めています。2日午前、鳩山総務相が同建物を視察する姿がニュースで大きく取り上げられました。 1日付の「東京中央郵便局取り壊しに総務相が”待った”」という記事は非常に多くの方に読んで頂きました。ブログ内のアクセスランクのトップとなっています。

郵便局は昨年12月に完全に閉鎖され、内部の様子は今回の視察で初めて明らかになりました。日本郵便はこれまで解体ではなく、アスベストの除去作業と説明してきましたが、実際は「解体」というべき大掛かりな工事であったことが明らかになりました。

また、保存検討委員会が「全面保存」を訴えていたにもかかわらず、日本郵政が同時期に建て替え計画を進めていたという実態も改めて浮き彫りに。

鳩山さんは予想以上に解体工事が進んでいるのを見て、怒り、悲しみの声を上げました。

「利益追求主義で文化や文明を壊してよいのか。国の恥だ。世に問いたい」

この行動には、「政治パフォーマンス」を指摘する声もあります。郵政三事業民営化はそもそも自民党が率先して行ってきたことです。また、建物の重要性を指摘する声は以前より出ていました。さらに、建て替え計画そのものは昨年6月には発表され、解体工事も12月には開始されていた。総務大臣なら、当然把握していてもおかしくない事案です。「かんぽの宿」の不正譲渡疑惑が持ち上がらなければ、この東京中央郵便局の問題がクローズアップされることもなかったことでしょう。

ただ、それはそれとしても、今回の意味は大きいではないかと思います。また、「文化を大事にしたい」という大臣の言葉にも嘘はないと思います。

鳩山家は、音羽にある邸宅(鳩山会館、通称・音羽御殿)を保存し、一般開放も行うなど文化財への理解も深い。自身は蝶の研究家としても名高い。

「日本郵政は民営化された企業であり、その財産権を犯すべきではない」との考え方もありますが、そもそも、郵便局は国家事業であるし、国民の宝ではないでしょうか。

「かんぽの宿」といい、東京中央郵便局といい、民営化されたからといって、好き勝手に処分しようという考え方には違和感を感じざるを得ません。

東京中央郵便局をめぐっては既に工事の契約も結ばれ、一部解体も進んではいます。しかし、今ならまだ間に合うのです。

一方、日本郵政側の逆襲も始まりました。日本郵政の西川社長は3日、会見で「予定通り、工事を進める」といい、石原東京都知事は「価値があるということは早く言ってくれないと。今、言われても迷惑だ」と発言。

しかし、価値を顧みることなく、強硬に工事を進めたのは日本郵政側ではなかったでしょうか。再開発計画と同時期に設置された保存検討委員会は、郵政側のアリバイ作りであったように見えます。やはり、ここは保存検討委員会の結論を待って、再開発を実施するか、否かを決めるのが筋でしょう。

何かを始めるよりも、何かをやめることには、より大きな決意が必要かもしれません。しかし、今はそれを成し遂げる時だと思うのですが…。

総務省へみなさんの声を届けることができます。こちらにアクセスし、郵政行政にチェックの上、コメントを送ってみませんか。

当ブログの東京中央郵便局関連記事はこちら

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2009年3月 1日 (日)

東京中央郵便局取り壊しに総務相が”待った”

どんなことだって、大逆転はある。

解体工事が進み、取り壊し危機にあった東京中央郵便局の見直しの機運が再び高まってきました。

きっかけは先日、名古屋市長選に出馬表明して話題になった民主党の河村たかし議員の質問です。これを受け、鳩山総務相が「重要文化財の価値があるものをなくすのは、トキを焼き鳥にして食べるような話だ」と発言しました。鳩山総務相が近く視察する見通しということです。

東京中郵は検見川送信所の設計者である吉田鉄郎氏の代表作で、専門家からは「国の重要文化財である」と指摘されています。

以下は、僕も発起人に名を連ねる「東京中央郵便局を重要文化財にする会」事務局からいただいた傍聴メモ。

2009年2月26日(木)15:30~

衆議院総務委員会傍聴メモ

●冒頭

河村たかし)東京の丸の内に行かれますと、今、東京駅は工事しています。これは空襲で2階に応急修理したものを3階に復元している。一方、東京中央郵便局は重要文化財になるような建物を壊しかけている。ここには入札疑惑がある。後半に質問したい。

●質疑

河村)東京中央郵便局の建物について重要文化財になるのではないかと思いますが、その価値についての確認、今まで努力されたことはあるか?

高塩・文化庁次長)1昨年12月の河村議員の質問にお答えしたとおり、「重要文化財に足りる価値を有する」と認識をしている。これまで総務省、郵政株式会社に対して、局舎の保存をはかりながら再整備する方法の提案を行ったり、歴史検討委員会に提言を行っている。

河村)郵政が今回出した計画は文化財になるのか?

文化庁)平成20年6月25日に発表された再整備計画については、現在の局舎の大半は失われることから、重文に指定するのは困難。登録文化財についても困難と考える。

河村)総務大臣、今のことを聞かれてどう思いますか?

鳩山総務大臣)私も文部大臣をしましたから、伝建地区、ああいうところにいくと本当にいい。重文、国宝とかさまざまなものがあるが、大切にしたいという気持ちがある。中央郵便局は子供のころに兄弟仲良く切手を買いに行った思い出がある。その建物が、重文の価値があるものが、なくなるようことはしてはいけない。

河村)日本のぎりぎりの良心である。現に壊されつつある。「かんぽの宿」は、譲渡するの総務大臣の認可です。かんぽは建物は残る。中郵は壊したらなくなる。「かんぽの宿」よりたちが悪い。

鳩山)日本郵政の財産処分には私の認可は関わっていない。会社分割には関わっている。郵便局会社のものについては、簿価10億以上はかかるが、譲渡するわけではないので、認可はかからない。重文であるものを、なくするのは、慎重に検討する。

河村)今のところは指定していないが、郵政が判をおせば、指定されるもの。

①大成建設が、民営化前に建物の老朽化調査をしている。今回、落札したのは大成。

②設計者の三菱地所から、日本郵政に出向している事実をご存じか?

鳩山)存じておりません。

河村)調査してください。かんぽの宿と同じ入札疑惑がいわれております。

鳩山)(事務方と)相談する。

河村)中郵は少なくとも、文化財保護法2条にある文化財に該当するか?

文化庁)指定・未指定に関わらず文化財である。しかし、重要文化財には所有者の同意が必要ということで指定を行っている。

河村)文化財になると、4条になると所有者の義務、3条では、政府および地方自治体の任務によって、文化財は周到の注意を持って当たらなければならないとある。周到な注意は行われたか?

鳩山)私有財産の処分権と文化財の関係についてはわからないが、文化庁次長が重文級のものだと答弁したのであるから、答弁している。

河村)東京駅舎は重要文化財、その先の三菱一号館は復元されている。一号館は明治の建物、東京駅は大正時代、郵便局は昭和のもので、一帯は歴史の回廊として整備されつつあり、日本の玄関である。内閣でこの問題を話し合ってほしい。私有財産と言っているが、たまたま法律が通って民営化されたもので、これは国民のものだ。

米沢・日本郵政専務執行役)この建物については、建築団体他から保存要望を受けたことを重く受け止めて、平成19年7月に歴史検討委員会を設置し、この提言や技術的な検討などをふまえ、また区や都のアセスや各審議会などの幅広い議論をふまえ、計画を進めてきた。出来る限り行っているので理解をいただきたい。

河村)この計画では、重文にはならないし、登録文化財にはならない。あなたは文化財を壊すと言っている。上の容積率は売れるので、郵政に損害はないはず。

石井・国土交通省大臣官房審議官)大丸有地区については、H14年、特例容積率適用地区指定をおこなっている。

河村)東京都は歴史的建造物を保存する制度をつくっている。国民の財産だ。153人の超党派での議員の会も活動している。少なくとも国会にお伺いをたててほしい。みなさんに守る責務がある。

鳩山)国会で議員の中にそういう動きがあることは承知している。国会に求める類のものではないだろう。かつて文部大臣をやった人間として、国指定の文化財についてはひじょうに重いと、区・都の審議会が了承したといっても、文化庁が重文の価値があると認めればその上にいく。今度の工事によって失われるのでしたら、国家にとっては損失である。重大な問題ですから文部科学大臣と協議する必要がある。

河村)かんぽの宿と同じような入札疑惑があるので、調査してください。

国土交通省が取り壊しになる場合は、とめてもらえますか?

石井)建物の取り壊しについては、とめる法的な権限はない。

河村)郵政に、取り壊しについては、ただちにストップすると言ってください。

日本郵政)ご当局にご理解を賜るよう、よく努力する。

河村)大臣2人が協議すると言ってるのに壊すんですか?

日本郵政)ご当局と相談申し上げたいと思います。

河村)重要文化財になるような建物を目の前で壊していい国にはしない。みんなで守りましょう。日本の玄関ですから。

この模様は、一般紙の全国版でも報じられた。

JR東京駅前にある東京中央郵便局の建て替えに鳩山総務相が「待った」をかけた。昭和初期を代表する建築の局舎を壊すことについて、「重要文化財の価値があるものをなくすのは、トキを焼き鳥にして食べるような話だ」と指摘。不動産ビジネスで収益増をめざす日本郵政の経営戦略が見直しを迫られる可能性が高まった。

 「文化や歴史を大切にする国でなければならない」。鳩山総務相は27日の閣議後会見で、東京中央郵便局の再開発に異を唱えた。前日の衆院総務委員会で「工事で価値がなくなったら国家的損失になる」と発言。連日、建て替えを批判した。閣僚の間でも同調する声が広まっており、鳩山総務相は週明けにも現地を視察する。 (朝日新聞より抜粋)

昨年12月にYouTubeにアップした映像も、報道をきっかけにご覧になっていただけた方もいらっしゃるかもしれない。

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2009年1月31日 (土)

東京中央郵便局と歌舞伎座

こちらは吉田鉄郎氏の代表作として知られる「東京中央郵便局」。

文化財的な価値よりも、経済性が優先され、高層ビル化計画が進行している。建築家、国会議員からも反対の声は上がったが、その声も郵政には届かなかった。

改築工事は12月から始まり、建築史家、倉方俊輔氏のブログでも、既に写真が紹介されているが、時計から針が取り外された。

送信者 東京中央郵便局

時計の針がなくなる。止まる、というのは大きな意味を持つ。

札幌時計台は昭和初期、時計の針が止まったことがあるそうだ。それを見た市民が市街の中心にある時計台が止まっているのはよくない、と保守を始めた。時計が遅れていたため、札幌発の汽車が遅れた、というエピソードもあるほどだ。

東京中央郵便局の時計も、周囲の人々の暮らしに密接にかかわてきた。東京駅周辺で働く人、あるいはその目の前を通りかかった人は、その時計の針を見て、自身の行動を確認していたことだろう。

だからこそ、解体する側は真っ先に針を外した。なんといっても、止まっている時計は周囲の注目を引きやすい。

時を刻まなくなった建物の解体は12月4日の記事の状態から、さらに進んでいる。もちろん、当然の話ではあるが。建物の周囲を覆うパネルが積み上げられ、やがて、全面を覆うはずだ。寂しい。

送信者 東京中央郵便局

そして、2011年度内に「JPタワー」という38階建てのビルがそびえる。

送信者 東京中央郵便局

ここにもう一つのパースがある。こちらは先日、記事にした新・歌舞伎座

送信者 東京

この2つの建物は老朽化などを理由に、解体、建て替えが発表された。ともに、現存する建物のイメージは大切すると説明している。しかし、その真の狙いはこのパースを見れば、一目瞭然だろう。高層ビル化である。

こうしたやり方がスタンダードになってしまうと、地価の高い東京では、歴史的な建造物のレプリカの上に乗っかった高層ビルが雨後のタケノコのようにどんどん建っていくことになる。

これでよいのだろうか?

この中央郵便局の話とは逸れるが、日本郵政関連でこんな記事を見つけた。やっていることがメチャクチャじゃないか?

鳥取・岩美「かんぽの宿」 1万円で入手し6千倍で転売


いま、読んでいる本

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2009年1月30日 (金)

消える国登録文化財 歌舞伎座 新しい歌舞伎座の設計を手がけるのは「負ける建築」の隈研吾氏。「補強ができないくらい老朽化していて、全面的に建て替えざるを得ない」

東京中央郵便局に続き、東京の名所がまた消える。

送信者 東京

銀座の名所、歌舞伎座のリニューアル・パースが発表され、いよいよ取り壊されるのだ、という実感がわいてきた。寂しい。

銀座、築地周辺は東京でも好きな街だ。渋谷、新宿のような人混みはなく、ほどよく混んでいるという感じ。歌舞伎座を見ると、ほっとする。

出来上がったパースは現在の瓦と唐破風を残したという和風モダン、というイメージ。後ろには29階建てのオフィス棟がそびえる。一部ファザードを再現する東京中央郵便局のリニューアル案と同じような印象だ。

背後のオフィス棟は控えめなデザインにはするようだが、それでも、新歌舞伎座はより小さい印象を与えるだろう。高層ビルに囲まれ、ポツンと建っている札幌時計台のように、「ガッカリ名所」になりそう。

2008年12月16日 (火)
札幌時計台、がっかりの理由

歌舞伎好きに聞くと、歌舞伎座は音の響きがいいんだそうだ。それは意図して作られたのではなく、奇跡的な偶然らしい。それゆえ、歌舞伎役者もお気に入り。歌舞伎役者の中にも、この全面改築を惜しむ声があるようだが、松竹からお金をいただいている以上、「改築反対」と声を上げるわけにもいかない、ということだ。

歌舞伎座は、国の登録文化財。新聞などでは、「国の登録文化財に指定された」という記述をみるが、登録は登録であって、「指定」ではない。あくまでも、所有者が自主的に登録をするものである。よって、登録解除も所有者の都合によってできる。

登録文化財は指定文化財制度を補完する形で96年に生まれた。これはこれで、ある程度、文化財を守ることに効力を発揮した反面、所有者がいいように運用できてしまうという事情もある。

今までは、「文化財だ」といい、多少なりとも国から金銭的な援助を受けていたのに、老朽化を理由に壊すことも自由というのは、どこか、おかしくないだろうか? 老朽や耐震性だって、今の技術を持ってすれば、十分補強可能だというのに。

新しい歌舞伎座の設計を担当する隈研吾氏によると、「構造的に補強ができないくらい老朽化していて、全面的に建て替えざるを得ない」(2010年2月6日、朝日新聞でのインタビュー)そうだ。

2008年11月 6日 (木)
「負ける」建築~隈研吾

2008年12月 1日 (月)
「負ける建築」★★★

もちろん、建物は所有者のものである。今回は特に民間企業の所有物である。だから、それをどうしようと自由だ、という論理もある。しかし、歌舞伎座は、人々に愛され、街の風景の一部となっている。その公的な役割も大きい、ということは忘れてはいけないだろう。

僕ら「検見川送信所を知る会」が保存、利活用して欲しいと提言している検見川送信所も、所有者である千葉市では「国登録文化財が妥当」と言っている。しかし、国登録でしっかりと保存、利活用がかなうのだろうか?<※2010年4月、検見川送信所は保存活用に向けた調査をするために調査費が組まれた。これは失われつつある近代建築でも快挙といっていい>

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